横浜山手の高台には古い歴史のある洋館が立ち並んでおり、異国情緒あふれる観光スポットです。
開港した頃の横浜は、外国人居留地として港の方は商業地として発展しました。
そして、山手は住宅地としての西洋館が建てられて行きます。
現在残されたり、移築された山手西洋館は、当時の面影を残す貴重な歴史建築物となっています。
おもな7つの洋館の行き方、コース、見どころなどを紹介します。
山手西洋館の地図と行き方&コース
横浜山手西洋館マップを参考にしてください。
各洋館の受付け付近とかに、下の地図が置いてあるので、もらってから巡ると便利です。

バスで行く一番お手軽コース
赤い靴バスで「港の見える丘公園前」下車(あかいくつバスの始発は桜木町駅前です)
1、山手111番館
2、横浜市イギリス館
↓
元町公園の方へ移動(山手本通りを少し歩きます)
3、山手234番館
4、エリスマン邸
5、ベーリック・ホール
↓
山手イタリア山庭園に移動(山手本通りをしばらく歩きます)
6、外交官の家
7、ブラフ18番館
※元町公園から山手イタリア山庭園まで徒歩約15分。
少し距離があるのでバス使用も可能。
その場合、神奈川中央交通バス11系統で元町公園前→イタリア山庭園前で下車します。
個人的には、山手の景色を見ながら歩いていたらあっという間でした!
帰りはJR石川町駅、イタリア山庭園バス停(桜木町行き)など利用できます。
電車で行く場合のコース(坂を少し登ります)
みなとみらい線「元町・中華街駅」から行く場合
近いのが、元町方面6番出口(アメリカ山公園口)。
駅の上(エレベーター、エスカレーターあり)にあるアメリカ山公園経由。
港の見える丘公園に向かい2つの洋館を見たら、また途中まで引き返して元町公園側の洋館に行きます。
JR根岸線「石川町駅」から行く場合
石川町駅(元町口)の脇にある大丸谷坂を登り、山手イタリア山庭園から出発するコース。
※赤い靴バス、みなとみらい線の電車とは違う逆コースです。
どちらも終点は反対の駅になります。
最初の駅に戻りたければ、元町ショッピングストリートを楽しみながら戻るといいかも。
では、山手の西洋館めざして出発~!
港の見える丘公園には、2つの西洋館があります
7つの西洋館の見学は、すべて入館料はなく無料で楽しめます。
各洋館ではコンサート、ギャラリー展示など開催されていることもあります。
※無料が多いですが、有料の場合もあります
1、山手111番館(横浜市指定文化財)
港の見える丘公園の園内(噴水の横)側からと公園の外側から入れます。
洋館の特徴
*スパニッシュスタイルの洋館
*地階はコンクリート、地上は木造2階建ての寄棟造り
*玄関前の3連アーチ、赤い瓦屋根

山手111番館の玄関入口(公園の外の門から撮影)

設計はアメリカ人建築家J.H.モーガン(ベーリック・ホールの洋館も同様)。
モーガンは大正9年(1920)に来日して横浜を中心に多くの作品を残す。
平成8年(1966)横浜市が敷地を取得し、建物の寄贈を受ける。
平成11年(1999)一般公開。
地下の一部は喫茶店「カフェ・ザ・ローズ」になっています。
利用する場合は、入口玄関脇の階段又は港の見える丘公園のローズガーデン側から入ります。
休館日: 第2水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
住所:横浜市中区山手町111
山手111番館公式サイト
2、横浜市イギリス館(横浜市指定文化財)
山手111番館と同様に公園内と外と2か所から入れます。
洋館の特徴
*コロニアスタイルの洋館
*鉄筋コンクリート2階建て(地下あり)
*旧英国総領事公邸であることを示す玄関脇にはめ込まれた王冠入りの銘版(ジョージVI世の時代)、正門脇の銅板(British Consular Residence)があります。

横浜市イギリス館(公園の外の門から撮影)

設計は上海の大英工部総署。
広い敷地と規模の大きさは、東アジアの領事公邸の中でも上位に格付けられる風格のある施設。
昭和44年(1969)横浜市が取得。
平成14年(2002)一般公開。
洋館前の庭は、バラの季節が特に素敵!
次は、山手本通りを歩いて元町公園に行きます。
港の見える丘公園→道中に岩崎ミュージアム、横浜外国人墓地などあります→元町公園
元町公園には3つの西洋館があります
洋館の他に、山手80番館の遺跡もついでに楽しめます。
港の見える丘公園から来た場合
山手234番館→エリスマン邸→ベーリック・ホールの順に見学するのが効率的。
3、山手234番館(横浜市認定歴史的建造物)
港の見える丘公園から歩いていくと、山手本通りの左手にあります。
洋館の特徴
*外国人向けの共同住宅
*木造2階建(3LDKの間取りで、4住居ありました)
*洋風住宅の標準的要素の上げ下げ窓、鎧戸、煙突など

山手234番館

関東大震災により、横浜を離れた外国人に戻ってもらう為の復興事業のひとつ。
設計は朝香吉蔵(山手89-6番館 現えの木ていと一緒)。
第2次世界大戦後の米軍接収があるも、昭和50年頃まで使用される。
平成元年(1989)に横浜市が取得。
平成11年(1999)一般公開。
山手234番館の隣にはえの木てい本店があります。
寄り道して、カフェもおすすめ。
4、エリスマン邸(横浜市認定歴史的建造物)
山手234番館から道路を挟んで、反対側の斜め前に建っています。
元町公園の入口からすぐのとこだよ。
洋館の特徴
*木造2階建、屋根はストレート葺、階上は下見板張り、階下は堅羽目板張りの白亜の洋館
*上げ下げ窓、鎧戸、屋根窓、煙突など
*椅子やテーブルなどの家具はレーモンドが設計

エリスマン邸(元町公園にあります)

生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人として活躍。
設計は「日本の近代建築の父」といわれる建築家アントニン・レーモンド(チェコ出身)。
昭和57年(1982)マンション建築のため解体。
平成2年(1990)元町公園(旧山手居留地81番地)に再現される。
元町公園で、ベンチに腰かけて森林浴もいいですね。
5、ベーリック・ホール(横浜市認定歴史的建造物)
エリスマン邸から、小道挟んですぐ隣にあります。
ここも元町公園みたいですね。
洋館の特徴
*スパニッシュスタイルを基調とした洋館
*木造2階建、地下1階(鉄筋コンクリート造)
*玄関前は3連アーチ、4つの葉状の文様の小窓、瓦屋根、煙突など

ベーリック・ホール(門を入って、洋館前は広い庭)

設計はアメリカ人建築家J.H.モーガン(山手111番館の洋館も同様)。
第2次世界大戦前まで住宅として使用。
昭和31年(1956)遺族により宗教法人カトリック・マニア会に寄付される。
平成12年(2000)までセント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎として使用。
平成13年(2001)横浜市が用地を元町公園拡張区域として買収。
建物はカトリック・マニア会から寄付を受け、復元・改修しています。
平成14年(2002)一般公開。
広い庭からベーリック・ホールの全体写真が撮影できます。
次はしばらく山手本通りを歩いて、山手イタリア山庭園に向かいます。
途中、山手公園に行くこともできます。
7つの洋館には含まれていませんが、旧山手68番館があります。
山手イタリア山庭園には2つの西洋館
山手イタリア山庭園の中には、移築された洋館があります。
6、外交官の家(重要文化財旧内田家住宅)
山手本通り側から庭園に入ると、まず外交官の家があります。
洋館の特徴
*アメリカン・ヴィクトリアンの影響を色濃く残す洋館
*木造2階建、塔屋付
*屋根は天然ストレート葺。外壁は下見板張り

外交官の家(入口は反対側です)

設計はアメリカ人J.M.ガーディナー(立教学校の教師として来日、その後建築家として活躍)。
平成9年(1997)横浜市は内田定槌氏の孫から寄贈を受け、移築・復元し一般公開。
同年、国の重要文化財に指定される。
庭園前で記念写真を撮りたくなる洋館です!
付属棟があり、喫茶室として「ブラフガーデンカフェ」が設けられています。
7、ブラフ18番館(横浜市認定歴史的建造物)
外交官の家の庭園から、少し下にあります。
洋館の特徴
*木造2階建
*屋根はフランス瓦、煙突、ベイウィンドウ、上げ下げ窓と鎧戸など
*外壁は防災を考慮したモルタル吹き付き仕上げ
※解体時の調査で、住宅の一部は震災による倒壊、火災を免れた部材が利用されていることが判明。

ブラフ18番館

戦後、天主公教横浜地区(現カトリック横浜司教区)の所有となりカトリック山手教会の司祭館として使用。
平成3年(1991)に横浜市が寄付を受ける。
平成5年(1993)移築・復元して一般公開。
洋館の裏手に階段があり、門を出たらそこから坂を下り石川町駅に行けます。
反対まわりの場合は、ブラフ18番館から見学していきます。
※各洋館の開館時間は、8月の土・日・祝は18:00まで延長されています。
まとめ
山手洋館めぐりは季節によっても楽しめます。
バラが咲く季節は、花と洋館が絵になる素敵な風景になります。
また、毎年恒例のハロウィン、クリスマスなど季節による部屋の飾りつけもあります。
おしゃれな撮影スポットになるので、イベントに合わせてカメラ持参でたくさんの人達が訪れます。
ぜひ、季節ごとの洋館も機会があれば巡ってほしいです。
7館は大変そうと感じるなら、行きたいとこを中心に見るのもいいですね。
