大佛次郎記念館(港の見える丘公園)を見学!「ティールーム霧笛」でカフェと猫グッズ

大佛次郎記念館の外観

「大佛次郎(おさらぎじろう)記念館」を訪れました。
横浜生まれで、無類の猫好きとして知られている作家の記念館です。
館内には、猫に関する展示もあります。
港の見える丘公園にあるので、散策ついでに寄れます。
見学し、グッズも購入。
併設カフェ「ティールーム霧笛」にも寄ってケーキセットをいただいてきました。

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大佛次郎記念館のアクセス

港の見える丘公園内にあります。

港の見える丘公園の地図に丸印をつけた大佛次郎記念館

公園内の地図

赤で現在地と書いてあるところが、港の見える丘公園の中心にある入口。
※公園入口は他にもたくさんあります。

黄色の丸印のところが大佛次郎記念館の場所。

中心の入り口から行く場合、ローズガーデンを経由します。
ローズガーデンは、道路寄りのイギリス館側と展望台側どちらからでも行けます。

港の見える丘公園の噴水と大佛次郎記念館

ローズガーデンと奥に見える大佛次郎記念館

展望台側のローズガーデンは噴水があります。
その先にあるのが、大佛次郎記念館。

中央にアーチ型の屋根と赤レンガの外観が特徴の建物です。

大佛次郎記念館の入口外観

記念館の入り口には、古代エジプト猫の置物が飾られています。

こちらは開館当時、ルーブル美術館の売店で販売していたレプリカを購入したものだそう。

開館時間・入館料・休館日

【開館時間】
4~9月 10:00~17:30(最終入館17時)
10~3月 10:00~17:00(最終入館16時30分)

開館時間、入館料など記載された大佛次郎記念館の案内板

【入館料】
大人 200円
小・中学生以下は無料

※毎月第2・第4土曜日は高校生以下は無料。
※毎月23日は「市民の読書の日」につき高校生以下は無料。
※横浜市在住の65歳以上の方は無料(濱ともカード等を提示)。
※障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名無料。

【休館日】
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
※展示替え、施設点検などで臨時休館することがあります。

大佛次郎について

大正~昭和時代にかけての作家。

横浜生まれで、本名は野尻清彦(のじり きよひこ)。

ペンネームである大佛次郎の由来。

鎌倉長谷の大仏の裏に住んだとき
「ほんものの大仏が太郎だから、謙遜して自らは次郎とした。
おさらぎと読むのは、北条氏の一族でこの土地に住むのを大仏と書いて、こう読んだから」と自ら書いている。

(大佛次郎記念館パンフレット参照)

【主な代表作】
横浜は「霧笛」がとくに有名で、作品の舞台となった場所。
「霧笛」「幻橙」などは文明開化期の横浜を描いた名作。
他にも「帰郷」、時代小説「鞍馬天狗」「赤穂浪士」、ノンフィクション「パリ燃ゆ」などがあります。

最後の大作は「天皇の世紀」。
※明治100年を記念して新聞連載が始まった作品。
明治・大正・昭和の三代にわたる日本人の精神の歴史を明らかにしようとした。
病を押して現地取材旅行を重ねるも1555回で未完の作となる。

小説、エッセイ、戯曲、童話など多岐にわたる文筆活動をしていました。

大佛次郎記念館の概要が記載された看板
大佛次郎の歴史メモ
  • 明治30年(1897)横浜市英町(現・中区)生まれ。
    長兄は星の文学者として活躍した野尻 抱影。
  • 明治37年(1904) 横浜市の小学校に入学も、一ヵ月後東京に転居。
  • 大正10年(1921) 24歳、東京帝国大学を卒業。
    結婚し、鎌倉に移り住み生涯の住まいとする。
    女学校(現鎌倉女学院)の教師となる。
    外務省嘱託を経て本格的に作家活動に専念。
  • 大正13年(1924)27歳の時に大佛次郎の筆名を初めて用いる。
    「鞍馬天狗」の第一作を発表し映画化、流行作家となる。
  • 昭和6年(1931)34歳から約10年間、横浜のホテルニューグランドに仕事場を置く。
    36歳の時に横浜を舞台にした「霧笛」を発表。
    51歳のときに「帰郷」を発表。
  • 昭和36年(1961)64歳で渡仏し、パリ・コミューン関連資料を収集。
    「パリ燃ゆ」を発表。
  • 昭和39年(1964)67歳 文学界に尽くした業績により文化勲章を受章。
  • 昭和42年(1967)70歳絶筆となった「天皇の世紀」の新聞連載が始まる。
  • 昭和48年(1973)75歳 死去。

猫好きが分かる作品
*児童文学として「スイッチョ猫」。
*エッセイ、童話、小説から構成される「猫のいる日々」もあります。

ハマくま
ハマでないと気分がのらないと、ホテルニューグランド(318号室)を創作活動の拠点にした時期もあるくらい、横浜を気に入っていたそう。

大佛次郎記念館の見どころ

昭和53年(1978) 5月に開館。

鎌倉に住みながらも、故郷横浜を愛し続けた作家。
没後、遺族から蔵書、遺品が横浜市に寄贈されます。
作品にたびたび登場する山手の地に記念館が建築されました。

大佛次郎の業績と生涯を様々な資料で紹介。
年数回、さまざまなテーマで展示を開催。

記念館の建物

大佛次郎記念館は、フランス国旗の三色をイメージした洋館です。

建物の特徴
*青いステンドグラス
*白い大理石の床
*赤いレンガタイル

大佛次郎記念館の外観

建築の設計者は、浦辺鎮太郎(うらべしずたろう)。
※倉敷市出身で大原美術館分館を設計。

大佛次郎は、学生時代からフランス文学、歴史への関心が深かったそう。
フランス第三共和政下の事件を題材とするノンフィクション作品を残しています。

大佛次郎と猫と本

記念館内部をざっと案内します。

展示内容は時期により変更します。

訪問時はちょうど謎解きが開催!
このような企画はとても好きなんですが、知らずに訪れたので、謎解きの紙を手渡されて焦りました(笑)。
猫写真展も毎年開催されているようです。

写真撮影については、全体的に撮影するのであれば大丈夫とのことでした。

受付玄関にはエジプト猫がいます。

この猫は「ライオン猫」と呼んで大佛次郎が気に入っていたものだそう。

生涯に500匹以上の猫と暮らした愛猫家。
「猫は生涯の伴侶」と語るほどの存在で、常に十数匹の猫に囲まれた生活をしていました。

館内では各所で猫コレクションを見ることができますよ。

大佛次郎記念館 1階展示場

1階の展示

吹き抜けで開放感ある場所。

奥に和室もあります。
※一般公開されることも。

訪問時は、大佛次郎の写真を生涯のアルバムのようにして展示。
こちらの記念館の歴史についても知ることができました。

ランプの上に乗る猫

2階に向かいます。

階段吹き抜けロビーにある、壁のランプに注目。

設計者の浦辺鎮太郎が尊敬するイギリスの建築家ジョン・ラスキンの「建築の7灯」にちなんでいます。
(建築に対する考え方、犠牲・真実・力・美・生命・記憶・従順の7つ)

ランプの上の猫は、大佛次郎の猫コレクションからふさわしいと思われるものを選んで置いたそうです。

2階展示の様子

2階の展示

訪れたときの、2階展示ギャラリー。

大佛次郎の歴史年表、こちらの記念館の説明など興味深く見学。

大佛次郎の書斎兼寝室を再現した展示の様子

書斎兼寝室を再現

猫の置物がいたるとこに飾られているので、探してみるのも面白い!

大佛次郎が愛した絵画、猫の置物、書籍などの愛用品が展示されているんだとか。

作品テーマによる展示室の様子

作品のテーマごとの展示。

直筆の原稿とか、愛蔵品なども見ることができます。

大佛次郎記念館のサロンの様子

サロン

記念館のサロンでは、青のステンドグラスを近くで観察できます。
大理石を交互に配したアーチ窓。

こちらはイベント時などでも使用されるみたい。

閲覧室の入り口外観

閲覧室の入り口

大佛次郎の作品が多数置いてある閲覧室もあります。

さらりと見学しただけですが、こちらでゆっくり本を読むこともできます。

ティールーム霧笛でカフェ!

大佛次郎記念館に併設された喫茶店。

店名は、小説のタイトルにちなんだ「ティールーム霧笛」。

営業時間:10:30~18:00(L.O.17:30)

ティールーム霧笛の外観と猫の像

記念館を見学しないで、カフェだけ楽しむこともできます。

入口は外側からと記念館建物内からとがあります。
※内部の方は、見学しないと通れません。

お店外側の入口横には、佐藤忠良氏の猫の像があります。

ティールーム霧笛の店内の様子

こちらの店内に入ってびっくり、猫グッズがたくさん飾られていました。

猫の絵画、置物などいたるところにあります。
愛猫家だった大佛次郎にちなんでいるんですね。

猫グッズも売っているので、猫好き、かわいい小物が好きなら購入したくなりますよ。

中島清の屏風絵

ひときは目を惹く、花とシャム猫の絵は、日本画家である中島清之氏の屏風絵なんだとか。

交流があった大佛次郎が所蔵していたものらしいです。

ティールーム霧笛の窓際の席

窓辺の席に案内されました。

自然を感じながら、穏やかなティータイムが過ごせます。

看板メニューのチーズケーキ

チーズケーキは、大佛次郎夫人のオリジナルレシピを再現しています。

これはぜひ食べねば!

チーズケーキとコーヒー

霧笛オリジナルチーズケーキ(550円)。
ブレンドコーヒー(550円)をセットで注文。
※ケーキセットにすると飲み物の値段に+330円になります。

グラハムクラッカーの生地に濃厚クリームチーズ、酸味のあるサワークリームの組み合わせ。
素朴ですが美味しい。

大佛先生も口にしたのではと想像すると、貴重な味わいです。

全体を通して、文学の歴史に触れあう素敵なひとときを過ごせました。

他にも、アイスクリーム、パフェ、サンドウィッチ、トーストなどがメニューにありました。
公式HP(ティールーム霧笛)にて確認できます。

猫のお土産グッズ

記念館の受付のとこにもグッズが売っています。

こちらでは、大佛次郎記念館オリジナルグッズを販売。

大佛次郎記念館で購入できるオリジナルグッズ

写真のオリジナルグッズ以外にも、猫柄のタオル、ミニバック、手ぬぐい、絵葉書などいろいろありました。

大佛次郎記念館のオリジナルグッズのコースターと入館時のチケット

大佛次郎がスケッチしたという猫のコースターがなんだか可愛い♡
しかも名前入り。

コースター(2枚組)550円を購入しました。

訪れた記念のお土産として、グッズを探してみるのもよいですね。

まとめ

猫の存在が、作家に色を添えている記念館でした。
文学だけだと興味ある方でないと楽しめないかも知れませんが、そこに猫が加わることで、作家や作品について知らなかったとしても、見学したのをきっかけに印象に残ること間違いなしです。
港の見える丘公園は展望台、バラ庭園があるので、バラをはじめとする花や洋館めぐりが定番になりがちです。
大佛次郎と横浜との関係、愛猫家ということを念頭に、こちらの記念館も1度は訪れてみることをおすすめします。

ハマくま
事前に調べて、興味あるイベント時の訪問もよさそうです。
可愛い猫グッズも探したくなるし、また行かなくちゃ!

施設の情報

  • 施設名:大佛次郎記念館(おさらぎじろうきねんかん)
  • 住所:横浜市中区山手町113番地
  • 営業時間:4~9月は10:00~17:30
    10~3月は10:00~17:00
  • 定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
  • 大佛次郎記念館公式サイト

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