横浜にある山手公園は、山手本通りから少し脇道を行った場所にある歴史の古い公園です。
明治3年(1870)、居留地に住む外国人によりつくられた日本初の西洋式公園。
明治9年(1876)には、はじめてテニスのプレーが行われたことで、テニス発祥地ともなりました。
園内にはテニスコート、洋館(旧山手68番館)、テニス発祥記念館などあります。
春は桜の名所でお花見が楽しめますよ。
昔のおもかげを訪ねて、緑に包まれた公園を散策してきました。
山手公園の場所とアクセス
山手本通りから行く場合は、カトリック山手教会の脇道を進むとすぐです。
上の写真は山手本通りの道です。
カトリック山手教会の右手の脇道に入ります(左上信号機には、公園の案内標識)。
石川町駅→山手イタリア山庭園経由で歩いてくると、この場所があります。
山手公園に行かないでこのまま本通りを歩き続けると、最後は港の見える丘公園に着きます。
・JR根岸線「石川町駅」南口(元町口)より徒歩12分。
・みなとみらい線「元町・中華街駅」元町口より徒歩15分。
バスで行く場合
・「横浜駅」より市営105系統「麦田町」下車徒歩1分。
・「桜木町駅」より市営21,99,101,105,106系統「麦田町」下車徒歩1分。
又は神奈中11系統「山手町」下車徒歩1分。
脇道に入り小道を歩いていると、途中にあるのは横浜市の名木古木指定のタブノキ。
フェリス女学院大学の門の横にあります。
タブノキのある場所から少し歩けば、山手公園に到着!
こちらは、公園の入口のひとつです。
園内は階段も多くあり、ここから中に入ると下って行くことになります。
駐車場について
公園の駐車場(20台)がありますが、有料です。
料金→普通車1時間300円(以後20分ごとに100円)
営業時間→24時間、年中無休
山手公園マップと公園の歴史
山手公園の全体地図です。
トイレは、旧山手68番館(テニスコートの近く)にあります。
明治3年 (1870) 山手公園が日本初の洋式公園として誕生
明治9年 (1876) 日本で初めてテニスがプレーされる
大正12年(1923) 関東大震災で横浜市内壊滅
昭和19年(1944) 山手公園は国から横浜市に移管
平成10年(1998) テニス発祥記念館開設
平成16年(2004) 山手公園が国の名勝指定を受ける
ーテニス発祥記念館のパンフの一部を抜粋ー
公園の主な見どころ
*旧山手68番館(山手西洋館)
*記念碑やヒマラヤスギ
記念碑やヒマラヤスギなど
まずは園内を散策し、記念碑、ヒマラヤスギなどを紹介。
園内にある記念碑
記念碑は全部で4つありました。
1、国指定名勝 山手公園の記念碑
公園の中心にあるテニスコート(2面)の脇にありました。
※国指定名勝(国が文化財保護法に基づいて指定した名勝)
朝からテニスの練習に励んでいる方々がいます。
2、山手公園120周年記念碑
旧山手68番館(公園管理センター)の近くにあります。
山手公園が開園して、120周年を記念した碑です。
横浜居住の外国人の間で、山手に専用の公園を望む声があった。
すぐに実現とはいかなかったが、日本政府は山手妙香寺付近の土地を貸与し、公園の造成は居留民が行う。
明治3年 (1870) 山手公園が開園。
明治11年(1878)居留地外国人女性が組織するレディズ・ローンテニス・アンド・クロッケー・クラブが管理することになり、クラブハウスとコートが設けられる。
3、日本庭球發祥之地の記念碑
会員制テニスクラブの入口の門の横にあります。
レディズ・ローンテニス・アンド・クロッケー・クラブ(現・横浜インターナショナルテニスクラブ)がこの地に5面のテニスコートを建設したと記されています。
日本で初めて、テニスがプレーされた地です。
4、近代下水道記念碑
山手公園の外側(最初にたどり着いた山手公園入口の、外側の階段を下ったとこ)にありました。
園内の遊具場近くでもあります。
山手公園沿いの桜道などには、当時の石造下水管と碑の左側のグラフ溝(石造側溝)が、100年以上経た今日においても使われているのだそう。
この碑は、横浜市の下水管の総延長が平成7年11月に1万kmに達したことを記念して建立。
君が代がはじめて演奏された場所
芝生広場があり、すみっこの方に白いあずまやがありました。
明治3年(1870)こちらのあずまやの前で「君が代」がはじめて演奏されました。
英国軍楽隊のジョン・ウィリアム・フェトン中尉が作曲。
その後作曲し直されているので、現在の君が代とは違うメロディだそう。
君が代発祥地は、公園から割と近い場所にある「妙香寺」です。
ヒマラヤスギはここから全国へ
公園のパーキングの横には、横浜市の名木古木指定のヒマラヤスギ。
明治12年(1879)英国人ヘンリー・ブルックにより、インドのカルカッタから種が持ち込まれました。
日本ではじめてのヒマラヤスギがここ山手に植られ、全国に広がったそうです。
木陰にある遊具
子供の遊具場もあります。
木立に囲まれており、涼しそうな場所ですね。
旧山手68番館
【開館時間】9:00~17:00
【入館料】見学無料
【休館日】毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
山手公園には、西洋館が1つあります。
洋館めぐりを山手でしているなら、こちらも見ておきたいですね。
昭和9年(1934)に、震災後に建てられた外国人向け貸家のひとつ。
かつて山手68番(フェリス女学院の代官坂の上)にあったのが移築されました。
現在の旧山手68番館は、公園の管理センター及び、市営テニスコートのレストハウスになっています。
こちらには、テニスコート(4面)があります。
旧山手68番館の前は、桜のおすすめスポットです。
内部はテニス利用以外でも入ることができ、展示もあります。
横浜公園の昔の絵葉書について、山手公園テニスコートのエピソード、公園を舞台とした文化活動など知ることができます。
テニスコートの利用について
【テニスの利用時間】9:00~17:00(5/16~8/15は、19:00まで)
【利用料金】1面2時間で、2,200円
更衣室(無料)・コインシャワー(1回5分100円)あります。
申し込みは、横浜市市民利用施設予約システムで予約。
テニス発祥記念館でテニスの歴史を知る
【開館時間】9:30~17:00
【入館料】 無料
【休館日】 毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
テニス発祥記念館は、公園の駐車場のすぐそばにあります。
テニス発祥記念館の入口に到着。
展示室は、写真撮影も可能でした。
内部はこじんまりとしていますが、テニスの歴史を深く知ることができます。
手前のガラスケースの中には、約500年前のラケットが展示されていました。
ラケット(Racket)はアラビア語で「手のひら」の意味。
まだラケットが発明されない16世紀頃は、手に革手袋をして硬いボールを打っていたんだそう。
テニスをはじめた初期の女性の服装だそうで、優雅ですね~。
運動着というものはなく、散歩着でプレーしていたんですって!
裾を踏んで転ぶことがあったので、スカート吊り上げ器で対応していました。
スカートが短くなったのは、20世紀になってからです。
外国人女性が山手公園でテニスをしている風景のステンドグラス。
隣に飾られている浮世絵(明治13年頃のもの)をステンドグラスにして設置したそうです。
絵師が当時のテニス風景を浮世絵にしてるので、両方比較して見るのがオススメ!
他にもローンテニスを描いた絵葉書なども飾られていますよ。
昔のテニスラケット、テニスボールが展示されており、移り変わりを知ることができます。
右下の展示ケースの中には、木箱に入った最も古いテニス道具一式。
各家庭で、自宅の庭に組み立てて楽しんでいたようです。
1900年代の実際にさわれるラケットも置いてあり、なかなか興味深かったです。
まとめ
横浜が開港して、山手に外国人が住んだことで造られた公園。
現在こうして名所となった公園を見てまわると、静かだけど歴史の深さを感じます。
ついでに、テニスの歴史も学べるというおまけも!
園内では、運が良ければネコにも会えますよ。
公園の情報
- 名称 :山手公園
- 住所 :横浜市中区山手町230
- 旧山手68番館の開館時間:9:00~17:00(5/16~8/15 9:00~19:00)
- 横浜山手テニス発祥記念館の開館時間:9:30~17:00
- 休館日:毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 山手公園公式サイト