横浜は幕末の開港とともに栄えてきました。その繁栄にシルク(絹)も関わっていたのをご存じですか?
開港後、横浜港では大量に生糸を輸出しており、一時期日本は生糸輸出量が世界第一位でした。
世界遺産で有名な群馬県の富岡製糸場からの生糸も、横浜港から世界中に運ばれていきました。
そんな日本の輸出産業を支えたシルク専門の博物館が横浜港の近くにあります。
見どころを案内し、シルク土産を紹介します。
シルク博物館のアクセスと場所
大さん橋や山下公園の近くにあります。
観光スポットが多いエリアです。
写真のビルがシルクセンタービルで、この2階にシルク博物館はあります。
英一番館跡の史跡
シルク博物館に入る前に史跡を発見。
開港と同時に来日したイギリス貿易商人ウィリアム・ケズウィックが、横浜で貿易会社としてジャーディン・マセソン商会を開設。
居留地一番地であったことと、有名な外国商社であったことから「英一番館」の名称が定着したそうです。
シルクセンターはその由緒ある跡地に建てられました。
シルク博物館の入り口
写真は外側の入口(海側からの階段)になります。
シルクセンター表の中央にある玄関から入っても大丈夫。
2階に上がれば、室内の入口がありますよ。
横浜開港100年の記念事業として、昭和34年(1959年)にオープンしました。
開館時間・料金・休館日
【開館時間】9:30~17:00(最終入館は16:30)
【入館料】
大人500円、シニア(65歳以上)300円、高・大学生200円、小・中学生100円
割引情報
シルク博物館のホームページに割引があります(印刷したクーポン持参)。
大人300円、65歳以上200円、小・中・大学生50円になるよ。
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
シルク博物館の見どころ・
訪問したときのパンフレットです。
大まかに3つのエリアに分かれてます。
①ふしぎファーム②しらべライブラリ③シルクのあゆみ
写真に写っている生糸は、博物館見学のときにご自由にどうぞとあったのでもらいました。
1、ふしぎファームのエリア
最初はここからスタート。
マスコットキャラの「まゆるん」がお出迎え。
館内の所どころにある映像で、まゆるんがクイズをだしたり歴史を教えてくれたりします。
ふしぎファームでは、科学の視点でのシルクが学べるよ。
蚕によっても、まゆの種類がたくさんあるのが分かります。
蚕の一生(卵→蚕→さなぎ→成虫になるまで)も展示されてます。
横浜は生糸輸出が盛んだったことで、スカーフも有名です。
大きさにもよると思いますが、スカーフ1枚に110粒のまゆが使用されてるそうです。
着物一式だとなんと9000粒だそう!
☆体験コーナーもありました
まゆの糸くり体験をしてみました!
ハンドルをくるくるとまわすと、まゆから糸がするするっ~と、とれて面白い。
まゆ1個からとれる繭糸(けんし)の長さは、東京スカイツリーの約2倍くらいだそうです。
すごい、、、
はたおり体験も職員に声をかければできるそうですよ。
シルク製品ができる過程を知ろう!
蚕(かいこ)のまゆを糸にしたら、織り、染める作業があります。
これは、糸くりを機械化したものです。
くるくるくると自動でまゆから糸をとっています。
はたおり機械です。
実物は、はじめて見ました。
草木染めについてのコーナーがありました。
べにばな、うこん、くちなしなど、おなじみの素材もあるけど知らないのもいろいろありました。
2、しらべライブラリのエリア
ここは産業や歴史の視点でシルクを学びます。
横浜とシルクの関係はここで分かります。
シルクの歴史
1859年(安政6年)横浜が開港すると、外国の船が次々来航し、貿易がはじまります。
生糸・絹織物の輸出がはじまりました。
おもな日本の養蚕地帯は関東、甲信、東北など。
鉄道が開通するまでは、陸路や水路から横浜に運ばれました。
横浜への「絹の道」として紹介されています。
この道は、日本各地から横浜へ絹を運び、横浜からは西洋文化を持ち帰ったそうです。
また、横浜には生糸を取り扱う問屋や商社が多数集まっていました。
生糸貿易が盛んなころの横浜の写真があります。
1909年に日本は世界一の生糸輸出国にもなったそうだよ。
こちらは世界のシルクロード。
もともとシルクは中国から伝わりました。
館内の写真撮影はフラッシュ禁止のため、ちょっとぼやけぎみの写真ですみません。
暮らしのなかで使われるシルク
絹は現在、衣服、工芸品などの他に、医療品や化粧品、健康食品の分野にも広がっています。
医療としての研究もされています。
さまざまなシルク製品が展示されていました。
遺伝子組み換えで飼育された、蛍光まゆも見れます。
3、シルクのあゆみのエリア
階段で2階に上がります(博物館としてで、実際は3階)。
こちらのフロアは、シルクを用いた衣装がたくさん!
世界のシルクの民族衣装
まず最初は、世界の民族衣装のコーナーです。
シルクを使用した各国の衣装に目を奪われました。
日本の風俗衣装
次は日本のコーナー。
約2000年前の弥生時代の遺跡の中から絹のきれ地が発見されたのですって!
土古時代から明治・大正時代までの復元した貴重な衣装の数々をここで見学することができます。
蚕やシルクについてのビデオ動画もありますが、長そうなので今回はやめました。
時間に余裕あり、興味ある方どうぞ。
終了~。
見学を終え、階段を降りると、最初のスタート地点の入口に戻ります。
受付の近くには、絹製品中心の土産物店もあります。
シルクのスカーフ、お菓子、まゆでつくったマスコットなどが売られています。
横浜に残るシルクの歴史あと
シルクを求めて寄り道!
シルク通りに残る歴史
横浜中華街から近い、山下町に残るシルク通りです。
シルク通りにある遺構を発見。
「旧横浜居留地91番地堀」で、イタリア系蚕種・生糸輸出商社「デローロ商会」のものでした。
もっとも古くから存在した外国商社の一つであると記されています。
生糸貿易商・中居屋重兵衛店跡
本町通りから、関内桜通りに入ったところにあります。
中居屋重兵衛は、群馬県吾妻郡嬬恋村出身。
開港時の横浜で、生糸貿易の取引の大半を行う。
幕末の生糸貿易は中居屋によって支えられたと記載されています。
明治時代になると、多くの生糸貿易商に引き継がれます。
説明板しか残されていませんが、文久元年(1861)の錦絵に中居屋重兵衛店が描かれています。
銅(あかがね)御殿と呼ばれたそうで、立派なお店であったことが想像できます。
横浜第二合同庁舎(旧生糸検査所)
みなとみらい線「馬車道駅」の近くにある横浜第二合同庁舎。
昔は生糸検査所(キーケンの名で親しまれる)でした。
正面玄関の上部に蚕蛾(かいこが)、菊、桑の葉などあしらった紋章があります。
復元した建物ではありますが、横浜市認定歴史的建造物です。
北仲ブリック(旧帝蚕倉庫事務所)
こちらは横浜第二合同庁舎の隣にある旧帝蚕倉庫事務所。
上は再開発前の工事現場にあった写真です。
北仲ブリック&ホワイトの北仲ブリックの建物として保存されています。
現在は、ニサンカイ(シェアオフィス)が入居。
外観は、以前とほとんど変わらない貴重な歴史的建造物です。
横浜土産で有名な「横濱シルクアーモンド」
シルク菓子のお土産を紹介します。
こちらはシルク博物館のお土産店に売っています。
横浜のお土産はいろいろありますが、シルクに関するお菓子として「横濱シルクアーモンド」が有名です。
これは一番小さいサイズで432円。
横浜グッズのコンテストで金賞を受賞してます。
中身はこんな感じです。
ホワイトチョコレートじゃないよ!
アーモンドに、ミルクとシルクのパウダーをコーティングしてるんですって。
甘じょっぱさとアーモンドのカリカリがマッチしてておいしいです。
チョコでないから、夏場でも溶ける心配がないのがうれしいね。
まとめ
今回はじめてシルク博物館を訪れてみて、横浜の発展とシルク(生糸)には深い関わりがあったんだということが分かりました。
今はシルクの需要が少なくなってしまいましたが、またシルクブームが来るといいですね。
興味をもたれた方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
施設の情報
- 名称 :シルク博物館
- 住所 :横浜市中区山下町1番地 シルクセンター2階
- 開館時間:9:30~17:00(入館は16:40まで)
- 休館日 :月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
年末年始(12月28日~1月4日)
展示替えによる臨時休館あり - シルク博物館公式サイト