横浜馬車道といえば、馬車道通りにあるガス灯も有名です。
ガス灯プロムナード(馬車道通り~万国橋通り~海岸通り~山下公園通り)もあります。
散歩ついでに、ガス灯巡りをしてみました。
ガス灯の歴史、馬車道通りのガス灯についても紹介します。
横浜ガス灯の歴史・ガス灯発祥について
明治5年(1872)に、馬車道、本町通りにかけて日本で最初のガス灯が点灯。
横浜馬車道には「日本初ガス灯」記念碑があります。
馬車道を中心に、散歩で見つけた横浜のガス灯の碑・歴史をまとめました。
横浜馬車道「日本で最初のガス灯」記念碑
馬車道通り沿い・関内ホールの外側にあります。
記念碑、壁面レリーフ、当時を復元したガス灯が設置。
碑を読むと、横浜市市民文化会館(関内ホール)新築完成を祝って設置されたそう。
壁面レリーフは、横浜開港資料館所蔵の絵葉書を転写したもの。
明治末期の馬車道だそうで、ガス灯もあります。
ガス灯は、明治5年(1872年)に、高島嘉右衛門のガス会社「日本ガス社中」により、馬車道・本町通り等に設置、点灯され、これが日本における最初のガス灯となりました。
柱部は英国グラスゴー氏から輸入し、灯具は日本人職人により製造されたと言われます。(参照:馬車道「日本で最初のガス灯」記念碑)
高島嘉右衛門とは、高島町の名前の由来にもなった横浜の実業家です。
※横浜市西区に高島町の町名あり。
ドイツの商会がガス会社建設の申請をしたので、外国に権益を奪われることを憂慮。
「日本社中」を結成して、ガス会社建設の権利を得たとのこと。
山下公園通りのガス灯
山下公園通りにもガス灯があり、ガス灯関連の案内を見つけました。
日本の西洋文化や洋風生活の多くは、みなとヨコハマを玄関口として入って来た。
ガス灯もその一つで、柱部は英国グラスゴー市から輸入し、灯具は日本職人により製造されて、明治5年10月31日に点火された。
このたび、魅力ある街づくり、道づくりの一環として、照明灯の改修、歩車道の補修、公園の改修などもあわせて、東京ガス、横浜商工会議所、地元の皆様の協力により当時の型をモデルに復元し、同じ日に点火した。
横浜市道路局 昭和60年10月31日
ガス灯については、馬車道とほぼ同じ内容が書かれていました。
当時のガス灯を、街づくりとして復元したんですね。
日本のガス事業発祥の地(本町小学校)
横浜のガス灯は、日本ガス事業のはじまりでもあります。
横浜市中区花咲町(野毛地区側)にある、本町小学校にもガス灯があります。
敷地内には、ガス灯と「日本ガス事業発祥の地」の記念碑あり。
校門のところにあるので、中に入らなくても外から見れます。
中区花咲町は、日本最初のガス会社が設立された場所なんだとか。
記念碑は、昭和59年に東京ガス株式会社が寄贈。
明治3年、高島嘉右衛門によって中区花咲町のこの地(当時の伊勢山下石炭蔵跡)にガス会社が設立された。
高島はフランス人技師アンリ・プレグランを招いて、明治5年9月29日(太陽暦10月31日)神奈川県庁付近および大江橋から馬車道・本町通りまでの間にガス街灯10数基を点灯した。
これが我が国ガス事業の発祥である。
明治25年4月横浜市瓦斯局となり、昭和19年11月東京ガス株式会社となった。
東京ガスの公式HPを読むと、明治5年(1872)横浜で日本のガス事業が、フランス人アンリ・プレグランの指導の下、高島嘉右衛門(たかしまかえもん)によって始まり、現代の馬車道通りに、街灯としてガス灯がともりましたと記載あり。
横浜に遅れること2年後、1874年(明治7年)には東京の銀座通りにも街灯として85基のガス灯が輝くようになり、ガス灯は次第にその数を増やしたそう。
横浜の日本初のガス灯とは、本格的にガス灯が設置された、日本のガス事業のはじまりでもあったんですね。
造幣局内の工場、宿舎付近の街路にかぎられていたそう。
日本で一番古い西洋式ガス灯は大阪府大阪市の造幣局にあります。
(大阪造幣局に創業当時のガス燈が展示)
馬車道のガス灯の見どころ
馬車道通りで、見どころとなりそうなガス灯をいくつか紹介。
最初に紹介した「日本で最初のガス灯」の案内がある記念碑をメインに、イギリスのガス灯も見どころです。
イギリスからのガス灯
馬車道のガス灯には、イギリスからやってきたガス灯が4基あります。
関内駅側から順番に見てきました。
②英国国会議事堂のガス灯
③シェフィールドパークのガス灯
④ビクトリア・タワーのガス灯
①トラファルガー広場のガス灯
JR関内駅北口寄りにあります。
近くに「近代街路樹発祥の地」記念碑もあります。
ロンドンの中心的存在である「トラファルガー広場」のガス灯と同じものだそう。
②英国国会議事堂のガス灯
関内ホール前「日本で最初のガス灯」記念碑のすぐ近くにあります。
こちらは、英国の国会議事堂の北西部に立つガス灯と同じものなんだとか。
③シェフィールドパークのガス灯
馬車道通り沿いの「神奈川県立歴史博物館」前にあります。
イギリス・サセックス州のシェフィールドパーク内に立っているものと同じガス灯。
④ビクトリア・タワーのガス灯
みなとみらい線「馬車道駅」5番出口から近いです。
東京芸大(旧富士銀行横浜支店)前でもあります。
英国国会議事堂のシンボルとして有名なビクトリア・タワー。
そのビクトリア・タワーの周辺に立つガス灯と同じものだそう。
その他、馬車道のガス灯
馬車道通りは、アーチの上にもガス灯があって素敵です。
道のタイルの中には、ガス灯柄もあります。
絵柄は他にもあるので、足元のタイルも注目したい。
横浜土産でもおなじみ「馬車道十番館」の入口にもガス灯あり。
お店のシンボルマークはガス灯です。
かつては手作業だった点火作業も、現在は電気式のタイマーによって自動点灯・消灯を行っているそうです。
ガス灯プロムナード
馬車道通りから山下公園通りまで、ガス灯プロムナードがあります。
総距離約4キロにわたり、149基のガス灯が設置。
ガス灯を眺めながら、横浜散策ができます。
*万国橋通りのガス灯(18基)
*海岸通りのガス灯(31基)
*山下公園通りのガス灯(40基)
主な観光スポットと共に紹介します。
万国橋通りのガス灯
馬車道通りから、本町四丁目の大通りの信号を渡ると万国橋通りへ。
「横浜第ニ合同庁舎」とガス灯。
遠方には、みなとみらいにある「ランドマークタワー」も見えます。
反対側に海岸通りありますが、万国橋にも寄ってきました。
万国橋の所まで、ガス灯ありました。
万国橋を渡ると、みなとみらい新港地区に入ります。
ここから、横浜ワールドポーターズ、赤レンガ倉庫、マリンアンドウォーク横浜、横浜ハンマーヘッドなどが近いです。
海岸通りのガス灯
「日本郵船歴史博物館」は横浜郵船ビルの再開発に伴い臨時休業中(2023年4月より)。
神奈川県警察本部の隣に、横浜税関(クイーンの塔)があります。
神奈川県庁(キングの塔)の近くにもガス灯ありました。
県庁の正面入り口は日本大通り側になります。
象の鼻パークと日本大通り側には「横浜開港資料館」があります。
横浜開港資料館の「開港広場公園」前から、海岸通りを見渡してみました。
山下公園通りのガス灯
イチョウ並木で有名な山下公園通りのガス灯です。
※11月前半の様子なので、まだ木々の緑が多め。
黄色に色づく紅葉の季節もまた素敵♪
山下公園の中央入口側に2つのガス灯。
歴史ある「ホテルニューグランド」前のガス灯は雰囲気あります。
横浜マリンタワー前にもガス灯あります。
一緒に撮影してみましたが、木々があるのでやや隠れてしまいますね。
うまく撮影できるように、またチャレンジしたいです。
文明開化の象徴だったガス灯の光が楽しめる夜も見どころ!
馬車道商店街公式HP(ガス灯ルート)でもガス灯プロムナードが確認できます。
ガスの日とガス灯
10月31日はガスの記念日です。
1872年10月31日に、街灯としてガス灯がはじめて馬車道通りを照らしました。
これをきっかけに、日本の都市ガス事業がはじまります。
横浜にガス燈が点灯した日を記念し、1972年に「日本ガス協会」によって10月31日が「ガスの記念日」として制定。
馬車道では、毎年11月3日の「文化の日」を中心にした10月31日~11月3日の4日間「馬車道まつり」を開催。
10月31日にガス灯の点灯式があります。
まとめ
横浜馬車道のガス灯について記事を書いてみたくなりました。
ガス灯プロムナードがあることを知り、馬車道から万国橋通り、海岸通り、山下公園までを散歩。
そういえば、本町小学校にもガス灯があったことを思い出し寄ってみました。
他にも、横浜駅の待ち合わせスポットになっている、赤い靴はいてた女の子像のところにもガス灯が飾られているなど、横浜の様々な場所で、ガス灯オブジェを発見することができます。
馬車道~山下公園通りまでガス灯プロムナードが楽しめます。