日本郵船氷川丸(山下公園)の内部見学と割引情報!昔の豪華客船です

日本郵船氷川丸の外観

横浜の観光地である山下公園には、海に浮かぶ重要文化財!日本郵船氷川丸があります。
昭和5年(1930)シアトル航路を運航する船として誕生。
戦前に建造された大型客船として唯一現存している貴重な存在です。
豪華客船時代には、有名な喜劇王チャーリー・チャップリンも乗船しました。
戦争という激動の時代を経て、今は静かに歴史を刻んでいる氷川丸の内部を見学してきました。

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日本郵船氷川丸は山下公園のどこにあるの?

横浜マリンタワーの近くで、ニューグランドホテルが公園を挟んで目の前にあります。

日本郵船氷川丸の入口

氷川丸のすぐ隣には、シーバスやクルージング乗り場があります。
上写真の右手に、少し船が見えるのがそうです。

海上バスで横浜駅、みなとみらい方面から乗ってくれば、すぐに見学できちゃいますよ。

一番近い電車の最寄駅からのアクセス

みなとみらい線「元町・中華街駅」の中華街方向に降りて、山下公園口(1番出口)に出ます。

港方面に少し歩けば、公園中心の入口に行けます。
園内入ると、右手海沿いに氷川丸が見えます。

日本郵船氷川丸の料金・割引情報

料金はずばり写真の通りですが、日本郵船歴史博物館とともに紹介。

日本郵船氷川丸の料金・船内案内板
入館料 日本郵船歴史博物館とセット料金
一般 300円 500円(博物館のみ400円)
シニア(65歳以上) 200円 300円(博物館のみ250円)
中学生・高校生 100円 300円(博物館のみ250円)
小学生 100円 博物館は無料

※障害者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料。

日本郵船歴史博物館も見学予定なら、セット券を買う方がいいです。

割引情報

  • 公式サイトのお得なご優待券のページを提示で一般とシニアは50円割引になります。
  • 他施設との相互割引があります(※変更になる場合もあります)
    *横浜ランドマークタワー69階 展望フロア・スカイガーデン
    ・展望台の半券提示だと50円引き
    ・氷川丸の半券を展望台で提示なら大人300円引き、その他200円引き
    *横浜人形の家
    ・どちらの半券提示でも、50円引き
  • 2019年の情報として、海の日、敬老の日(65歳以上)は入館無料です。

詳しくは日本郵船氷川丸公式の利用案内サイトをご確認ください。

氷川丸の内部(豪華貨客船内)を見学!

乗船口に登る手前のとこに、手荷物預かり所として無料のコインロッカーがあります。
又乗船口より少し先に、ベビーカー置き場がありました。

さらに奥は、見学後の下船口がありますよ。
その先に白い灯台が見えますね~。

日本郵船氷川丸の入口

では階段を登り、乗船しま~す!

氷川丸は固定されているのではなく、浮いている船です。

中に入ると受付があります。

エントランスロビーにいた!キャプテンハマー

チケットを購入して進むと、エントランスロビーです。

エントランスロビーとキャプテンハマー

氷川丸のイメージキャラクター「キャプテンハマー」が手招きしています。
窓の外を眺めたり、一緒に写真撮影しちゃいますかね!

エントランスフロアでは、氷川丸の歴史が大画面で上映(約27分)されていました。
長椅子もあるので、座って鑑賞できます。
全部観たら、およそ30分はここで過ごすことになりますが、前知識を知ることで、より氷川丸に愛着がわきますよ。

では、改めて奥に潜入しま~す!

氷川丸の船内の廊下

わくわくしますね!
扉の奥の長い廊下には、お部屋がたくさん(扉は開けちゃダメです)。

船内の見どころを紹介

順路が案内されているので、あまり迷うことはないです。

一等児童室(キッズルーム)

一等児童室の内部

こちらは、一等船客の子供遊戯室。

子供の世話をする、スチュワーデスと呼ばれる女性乗組員がいました。
大人がゆっくり食事を楽しむときに預けたりしたそう。

天井下に描かれた子供の絵は竣工当時のものです。

一等食堂

一等食堂の内部

一等船客の食堂は広いです。
ここで昔、豪華ディナーを堪能したんですね。

コースメニューに日本料理があるのは、日本郵船メニューの特徴であったそうです。

<見どころ>
インテリアは当時流行のアール・デコ様式の装飾、中央の高い天井。当時の豪華さを体感してみよう!!

ハマくま
料理に力を入れていたという日本郵船。その伝統のカリーである氷川丸ドライカリーは、レトルトとして現在お土産店などで売られています。

一等読書室

一等読書室の内部

中央階段を登ったとこにありました。
一等船客が、読書や手紙を書いて過ごしたそうですよ。

柱形と中央の天井灯は竣工当時のまま残されています

一等社交室

一等社交室の内部

読書室の隣の部屋です。
夜は、椅子、絨毯など片づけてダンスパーティ―の会場にもなったそう。
主に女性の社交場なので、華やかな内装。

天井・柱など竣工時のままのアール・デコの装飾をじっくり見よう。
当時は賑やかだったのかな~と想像してみるのもいいかも。

一等喫煙室

一等喫煙室内部

こちらは主に男性の社交場なので落ち着いた印象。
世界の上級品のお酒・たばこがそろっていて、カードゲームなどを楽しんだそうです。

ここも中央の天井が高いですね。

一等客室

一等客室の様子

一等客室は、いくつかの部屋を窓から見学。

竣工当時、横浜→シアトルまでの片道運賃は、一等で約500円。
千円あれば家が建つ時代だったそうで、限られた人が泊まれる場所。

ベットの上は飾り毛布、各部屋に冷温水の出る洗面所が付いています。

一等特別室(スイートルーム)

一等特別室のベットルーム

チャップリン、秩父宮両殿下をはじめとする各国の貴賓、著名人が利用したんだとか。
写真はベットルームですが、お風呂、応接のような部屋も見学できます。

テーブルと椅子をのぞいて、壁紙など竣工当時のままだそう。

※二等室はありませんでしたが、最後の方で三等客室(2段ベット)は見学できます。

屋外デッキで、横浜の景色を堪能しよう!

氷川丸からみなとみらい方面の眺め

横浜・みなとみらい方面の景色

屋外に上がってきました。
船から見る絶景も楽しみのひとつ!
写真の左側は山下公園、中央のビル群のあるとこはみなとみらい、右側は大さん橋です。

大さん橋に来航した豪華クルーズ船をここから見たかったなぁ~、、、残念。

操舵室(ブリッジ)は船の総司令部

さらに外の階段をどんどんのぼり、最上デッキにある操舵室に着きました。

操舵室

24時間体制で船の安全を守る場所ですね。
奥の部屋に無線室(当時は海図室)があり、モールス信号が使えます。

氷川神社の御祭神が祀られた神棚が、船を守っています。

船長室ものぞいちゃおう!

操舵室のちょうど真下にあります。

船長室

写真の奥の扉の先は、船長の寝室になっています。

右側の壁から飛び出たラッパのようなとこから、真上にある操舵室と会話ができたそう。

静かな屋外デッキ

屋外デッキの長い廊下

ここが一番癒されました!奥のデッキチェアーに座るのが、おすすめ♪

目の前の眺めのせいか、なんかゆっ~たりした気分になり、とにかく居心地がよかったですよ。

本を読んだり、うたた寝したいような気持ちよさでした。

船内は飲食禁止と注意書きがありましたが、椅子の側には自動販売機がありました。
外のデッキなら飲んでもよさそうなのね。

オープンデッキ(土日・祝日のみ解放)

氷川丸のオープンデッキ

今日は平日だから行けませ~ん。
気持ちよさそうだよね。

ここで、過去に数々のイベント(ビアガーデン、結婚式など)が行われていました。
昔は氷川丸で宿泊もできたみたいですが、今は完全に博物館としての役割のみになっちゃいましたね。

一番楽しみにしてた機関室(エンジンルーム)

時間無い人はここをカットして出口に行けますが、見ないなんてもったいない!

氷川丸の機関室

両サイドにエンジン

昭和5年(1930)竣工し、当時として最新のディーゼルエンジン(デンマークのB&W社で製造)。

8つの気筒で構成されたディーゼルエンジンが、左右に1基ずつ2基設置されています。
気筒内のピストン上下運動で、プロペラを回して船を動かします。

下層部に降りる階段があるので、どんどん下りて行きまーす。

機関室最下部に行く途中

機関室の最下部に降りているとこです。
なかなか圧巻な光景ですよ。

エンジンテレグラフ(操舵室からの指令を伝える装置)を動かすことができます。
他に、操舵室と連絡するための電話室、海水面の位置を知らせる赤いラインもありました。

機関室の最下部は海の中にいるってことだね。

展示室は2か所あります

船内には展示室もあり、当時の貴重なエピソードを知ることができます。

Aデッキの展示室(シアトル航路の旅)

横浜港からシアトルまでは、太平洋を渡り13日間の航海。
船旅中のお客さんに対する、きめ細かいサービスが繰り広げられていました。

船内展示室

中央の大きな梱包の中には、生糸が入っていたそう

当時の船内パンフレット、乗組員の仕事について、船からお客さんへの連絡メモ、人気すき焼きパーティーの写真、豪華客船の乗船記念みやげ(日本の絵葉書など)など当時を知れる展示がたくさん。

日本の主要輸出品としては、生糸が重要だった時代。
氷川丸の船倉には湿気を防ぐシルクルームがあったそう。

チャップリンと氷川丸の逸話
来日した喜劇王チャップリンは、日本橋「花長」のお座敷天ぷらを気に入ったそう。
そのことを知り、氷川丸の料理人に「花長」で学ばせたのだとか。
昭和7年(1932)6月2日に横浜から乗船。
航海中、毎日天ぷらを堪能したと記されていました。
複数の船会社の中で、氷川丸が選ばれた理由の1つにてんぷらの存在もあったようです。

他にも秩父宮両殿下、宝塚少女歌劇団などの乗船エピソードがあります。

Cデッキの展示室(氷川丸の航路)

出口手前の展示室には、激動の時代を生きた氷川丸の半生が分かります。

豪華客船時代だけでなく、戦時中は船体を白く塗り替え、赤十字マークをつけ病院船として活躍。

中央にある4つの時代ごとの氷川丸は、よく見ると船体が違っているのがわかります。

氷川丸は引退までの30年間に、合計127回太平洋を横断しました。

氷川丸の船名の由来は神社です(大宮と横浜を結ぶ縁)

Aデッキの一等社交室の見学後、階段の手すりに注目してください。

氷川丸てすりには神紋

日本郵船では、船名に地名・山・神社の名前を選ぶ伝統があったそう。

氷川丸は、埼玉県大宮にある「武蔵一宮 氷川神社」から名付けつけられました
中央階段のてすりには、氷川神社の神紋「八雲」があしらわれています。

教えてもらわないと、気が付かないです!!

出口前にある氷川丸の内部イラストがすごい!

氷川丸の内部イラスト

出口付近の壁には、巨大な氷川丸の内部イラストが描かれています。

見学コースにはなかったけど、まだまだ知らないお部屋がたくさんありました。
イラストの中で、シルクルーム見つけちゃった!

氷川丸の歴史を簡単に解説!

昭和5年  (1930) 氷川丸が竣工し、シアトルに向け初航海

横浜船渠(現・三菱重工業株式会社横浜製作所)が誕生させました。
シアトル航路の荒波に耐えられるよう頑丈につくったことで、戦時中は3回の触雷にも耐えたんだって。
幸運の船でもあります。
昭和7年  (1932) チャップリン乗船(横浜~シアトル)
昭和16年(1941) シアトル航路休止、海軍に徴用され病院船に改装
昭和21年(1946) 一般邦人の引き揚げ輸送の任務につく
戦時中は、傷病兵を治療するための船、戦後は日本人の引き揚げ輸送の役割を果たしたそうだよ。
中国東北部(旧・満州)や北朝鮮などにいた人達の帰国を助けたんだね。
昭和22年(1947) 戦後GHQの影響下にあり、大阪・横浜~北海道を結ぶ国内定期航路として活躍
昭和28年(1953) シアトル定期航路貨客船として復帰!
昭和35年(1960) 最終航海し引退(海外渡航が飛行機主流になってきたのと、老朽化などで)
太平洋横断254回、誕生してからの30年間の活躍お疲れさまでした~

昭和36年(1961) 氷川丸観光(株)に譲渡され、山下公園に係留保存
平成19年(2007) 日本郵船が買収し、翌年リニューアルオープン
平成28年(2016) 国指定重要文化財に指定される

ハマくま
戦前の大型貨客船は氷川丸しか残ってないので、貴重な存在!これからも横浜のシンボルとして元気に過ごしてほしいです。

※さらに細かい歴史については、実際に船を見学して確認してください。

まとめ

久し振りに氷川丸を見学して、以前よりきれいに修繕されているのを実感しました。
当時の面影を残しながら、見学者に分かりやすいように工夫されていて昔の豪華客船の雰囲気を楽しめました。
今また、豪華なクルーズの旅が脚光を浴びているので、現在の豪華客船(飛鳥とか)の内部も見学してみたいなぁと思ってしまったよ。
日本の初期の豪華客船なので、一度は見学することをおすすめします。
イベントとかあったときにまた訪れたいです。

ハマくま
日本郵船歴史博物館に行けば、さらに知識を深められます。また、氷川丸とみなとみらいにある帆船日本丸とを比較して見学するのも面白いですよ。
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施設の情報

  • 名称  :日本郵船氷川丸
  • 住所  :横浜市中区山下町山下公園地先 日本郵船氷川丸
  • 開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
  • 休館日 :月曜日(祝日の場合はその翌日)、臨時休館日あり
  • 日本郵船氷川丸公式サイト

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