鉄道発祥の地である横浜「桜木町駅」で歴史めぐり!110形蒸気機関車も見れる

桜木町駅の外観

桜木町駅といえば、みなとみらいの玄関口です。
反対側は、下町の野毛地区になります。
駅は観光客、仕事に行く通勤者、地元民のお出かけスポットとしていつもにぎわっています。
そんな桜木町駅の歴史をたどると、日本で最初の鉄道駅であることがわかります。
その証拠が、駅構内のまわりを散策することで見つけることができます。
中でも、2020年6月にオープンした旧横濱鉄道歴史展示(旧横ギャラリー)が見ごたえ満点!

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桜木町駅 南改札口前の柱の展示物に注目!

南改札口を出たところにある、駅構内の柱に注目してみてください。
※JR桜木町駅の改札口は3ヵ所、真ん中の改札口です。

ちょっとした歴史展示ギャラリーになっています。
鉄道ができた頃の当時の桜木町駅(初代横浜駅)の様子から、明治、大正、昭和の移り変わりを知ることができます。

展示の一部は「CIAL 桜木町 ANNEX」の建物内の旧横ギャラリーに移動しています。
南改札前の柱の展示と旧横ギャラリーを両方見ることで、日本の鉄道の歴史を詳しく学べます。

エドモンド・モレル(日本で初の鉄道建設に貢献したイギリスの鉄道技術者)

桜木町駅にあるエドモンド・モレルのレリーフ

エドモンド・モレルは鉄道建設の指揮の他に、日本人の鉄道技術の人材育成にも力を注ぎました。

当初、枕木はイギリスの鉄製のものを輸入する予定でしたが、森林資源の多い日本では木材のほうがよいと進言。
外貨の節約や国内の産業にも寄与した「日本の鉄道の恩人」だそうです。

でも残念なことに、結核により日本の鉄道の開業を見ずに他界してしまいました。
レリーフではひげを生やした姿ですが、まだ満30歳の若さだそうで残念に思います。
今は、山手の外国人墓地に眠っています。

2代目桜木町駅舎の模型もあるよ!

桜木町駅の観光案内所前の歴史展示ギャラリー

横濱銘品館という横浜土産物店、観光案内所の前の柱に注目!

2代目桜木町駅舎と昭和40年代の街並みのミニチュア模型が展示されています。

展示を見ると、昭和40年代は桜木町の駅前には路面電車も走っていたことが分かります。

昔懐かし鉄道コレクション

桜木町駅の鉄道コレクションの展示

昔の鉄道旅行図、崎陽軒のシウマイ弁当の初期の包装、発車の合図に使われた振鈴(しんれい)とかあって興味深いです。

発着時刻表には、当時の新橋は東京と記載されています。

国家事業としての鉄道建設

明治2年(1869)、明治政府は鉄道建設を決定。

鉄道建設のための資材は輸入していたため、港のある横浜側から工事が始まります。

桜木町駅の歴史展示ギャラリー

1872年(明治5年)日本初の鉄道が横浜~品川間に開通

日本の鉄道の歴史に幕が開きました。

横浜(現・桜木町)~品川間の仮営業をしたのち、横浜(現・桜木町)~新橋間の正式営業となりました。

鉄道が開業したときの乗客とは?

明治5年(1872)10月14日に、横浜~新橋間が正式に開業。

秋晴れのもとで開業式典が執り行われます。

桜木町駅鉄道開業式典時の乗客についての展示

名簿を見ると、鉄道開業式の列車には、当時の天皇陛下(明治天皇)も乗られていました。

式典会場に行くため、午前10:00に新橋を出発し、午前11:00に横浜停車場に到着。

10月14日「鉄道の日」は、日本初の鉄道開業日だったんだと、ここを見て思いました。
当時の驚きと興奮を体験してみたい気分です。

桜木町駅は初代の横浜駅でした

桜木町駅の初代横浜駅のときの写真

昔の初代横浜駅(現・桜木町駅)の外観は、とても重厚感があります。

明治の鉄道おもしろエピソードで、4コマ漫画がありました。新橋から乗車して小一時間で横浜に着いたのが信じられず、乗客が降りようとしなかったそうです。
徒歩で一日がかりの時代なので、まさかと思ったんですね(笑)。

ハマくま
待ち合わせでちょっと早くに着いたときとか、展示をみて楽しめちゃうね。

桜木町駅北改札側で知る駅の歴史

桜木町駅の構内にある、CIAL桜木町には紅葉坂ギャラリーというエリアがあります。

お土産が買える店舗もあるよ!
*横浜シウマイ駅弁で有名な「崎陽軒
*中華街の老舗「重慶飯店
*横浜のお菓子で有名な「ありあけ」「ガトー・ド・ボワイヤージュ

他にも、惣菜店、レストランなどがあります。

店内のずっと奥に進んでいくと、ギャラリーという名の通り、写真が飾ってありました。

紅葉坂ギャラリーに潜入!

CIAL桜木町入口の外観

紅葉坂ギャラリー入り口

北改札口前が、ギャラリーの入り口。

CIAL桜木町店内の天井に描かれている昔の市電系統図

奥に進むと休憩場所があります。

天井を見上げると「昔の横浜市電の運転系統図」が描かれていますよ!

市電も当時は、重要な交通手段だったんですね。

紅葉坂ギャラリー

ギャラリーみつけました!

明治から平成にかけての横浜の写真あれこれが展示。

実際にギャラーリーと言ってもそんなにたくさんはなく、店舗も含め全体のエリアがギャラリーです。

鉄道発祥の地の案内板

桜木町駅の外にある歴史説明板

北改札の西口を出たとこにも鉄道の歴史を伝える看板がありました。

「温故知新のみち」という散策ルート案内板です。
散策ルートとを巡り案内板を読んでいくと、さまざまな西区の歴史を知ることができます。

ここでは鉄道発祥の地の歴史が分かりやすくまとまっています。

駅舎は、初代横浜駅と初代新橋駅はほぼ同じデザインで双子の駅と呼ばれてたと記されています。

東横線廃線跡地の遊歩道

桜木町駅には昔、東横線「桜木町駅」がありました。

みなとみらい線と東急東横線の相互直通運転により廃線。
当時、桜木町駅から渋谷駅まで行けて便利だったのに残念に思いましたよ。

旧東急東横線跡地の遊歩道に行く道

旧東急東横線跡地の遊歩道に向かう道

その後、旧東急東横線跡地を遊歩道として整備。

現在は、紅葉坂交差点まで約140mほどが整備されています。
(横浜駅まで続く予定も、完成時期は未定)

紅葉坂ギャラリー(歴史写真のある場所)から、すぐ外に出れます。
ゆるやかなスロープ、階段を進めば着きます。

通過する電車が見れるので、お散歩してみてもいいね。

停車場ビュッフェにて歴史ある立ち食いそば「川村屋」

鉄道発祥めぐりでお腹が空いたら、停車場ビュッフェエリアに老舗のそば屋「川村屋」があります。

なんと創業明治33年(1990年)!桜木町駅の歴史と共に生きてきたお店です。

桜木町駅川村屋の外観

こちらは停車場ビュッフェエリアで、飲食店が並ぶ外の入口です。

南改札口がある内側にもお店の入口がありますよ。

桜木町駅川村屋の鶏肉山菜そば

おすすめとり肉そば山菜入り470円を頼みました。天ぷらやきつねとかもあります。
かつお節のだし汁にこだわったおそばです。

食券を買って並んで、食券渡したら1分以内に食べれるので、急いでいるときにオススメです。

立ち食いしましたが、混んでなければ店内にある椅子にも座れます。

旧横濱鉄道歴史展示(旧横ギャラリー)

南改札の西口側を出て、左手にある信号を渡ると「CIAL 桜木町 ANNEX」があります。

JR桜木町ビルの1、2階がシァルの商業施設。
※2020年6月27日にOPEN。

桜木町駅が日本で最初の鉄道駅であることから「旧横濱駅」にちなんで「旧横ギャラリー」ができました。

CIAL桜木町ANNEXの入り口から見える110形蒸気機関車

野毛側の表の入り口に来ると、何やら蒸気機関車が見えます。

こちらの建物内に横浜の食文化を感じたり、神奈川の食材を楽しめるフードホールがあります。

フードホールキテキのお店外観と蒸気機関車

フードホールキテキ(桜木町駅ビル)でランチ&ディナー!蒸気機関車のすぐ近く

2020年7月21日

110形蒸気機関車は記念撮影スポット

旧横ギャラリーにある110形蒸気機関車

中に入ると、110形蒸気機関車が展示されていました。

すごい!ちゃんとレールに乗っている。

蒸気機関車の後ろ側から観察できる双頭レール

双頭レールを観察!

鉄道の歴史パネルの展示も多数あり、内容が濃いですよ。

蒸気機関車の後ろにまわると、双頭レールの説明が書いてあります。

双頭レールについて
明治5年(1872)鉄道創業時、英国から輸入した錬鉄製の双頭レールが使用されていた。
上下対称の形状のため、裏返して再利用する予定だった。
(実際は再利用されない)
明治12年(1879)からは、鋼鉄製の平底レールに置き換えられる。
このレールは、新橋~横浜間、大阪~神戸間で使用するために輸入したものと考えられるそう。

2階から、蒸気機関車を眺めてみました。

2階から眺めた蒸気機関車

110形蒸気機関車の全体が見えます。

鉄道好きと思われる方、観光できた方など写真撮影をしています。

やっぱり撮りたくなるよね~♪

初代横浜駅のジオラマ

明治初期の横浜停車場と街の風景のジオラマ

明治5年に横濱停車場が開業した当時のジオラマ。

外国人居留地に隣接する野毛浦の海を埋め立てた現在のこの場所に存在。

厳重な柵に囲まれた広大な鉄道施設は、江戸時代からの生活感が漂う対岸の野毛の街並みとは、対照的だったそう。

新南改札口に歴史のシンボルがあります

鉄道発祥記念碑があります。

野毛側(西口)にある「CIAL 桜木町 ANNEX」は、新南改札口と隣接しています。
旧横鉄道ギャラリーを見てから来るといいね。

野毛方向に行く地下道、歩道橋の近くにあります。

鉄道発祥記念碑

当初の横浜駅(現・桜木町駅)があったところで、現在の駅は少し移動したみたいですね。

記念碑は三角柱になっています。
台石は動輪の形、鉄板のつなぎ目に双頭レールがはめ込んであります。

桜木町駅の鉄道発祥記念碑の原標点

鉄道発祥記念碑の原標点

こちらは、記念碑から少し離れた歩道にあります。

足元をよく観察してみよう。

横浜駅長室跡の石板

こちらもわかりにくい所ですが、開業当時の横浜駅長室跡の石板プレート。

野毛に行く地下道入口の、横の壁に埋め込まれています。

改札内にある駅の歴史

最後に、JR桜木町駅の改札内に注目してみました。

JR桜木町駅改札内にある初代横浜駅の歴史絵

何やら、立派な絵があります。

「横浜ステーション蒸気入車之図 並 海岸洋船燈明台を眺望す 横浜商館 並二 弁天橋図」だそう。

説明文抜粋

横浜駅に入車する蒸気車。
駅舎は二階建ての洋風建築が二棟並んだ堂々たる姿である。
米国人ブリジェンスの設計により、明治4年に完成。
この横浜駅が現在の桜木町駅にあたる。
ここから海岸を望むと、大岡川に架かるアーチ形の弁天橋、その先には明治7年に初点灯したレンガづくりの燈明台が見える。
まさにこの場所から日本の近代が開かれたのである。

他にも駅の壁を見渡すと、
昔の横浜駅の駅舎のイラストや歴代の桜木町駅の写真、駅の歴史年表などあります。

歴史メモ
明治5年(1872)  横濱停車場が開業。
大正4年(1915)  横浜駅は移転、桜木町駅に改名。
大正12年(1923)関東大震災にて初代駅舎消失。
昭和2年(1927)  2代目桜木町駅舎が完成。
昭和39年(1964)根岸線開通に伴い、駅舎を改築。
平成元年(1989) 3代目駅舎は高架下駅となる。

まとめ

桜木町駅には何度も来ていますが、こうして歴史にスポットをあてて、駅の構内や周辺をめぐってみると、新しい発見がありました。
はじめて取材したときより、年数が経ち、駅の歴史展示が進化しています。
歴史の記憶が残る駅として、ちょっとした博物館並の駅になってきました。
これからも注目したいなと思います。
お越しの際には、桜木町駅が鉄道発祥の地ということを念頭に駅をまわると楽しいですよ。
観光の方で他にも行くので、駅ばかり見てられない場合は、旧横ギャラリーと鉄道発祥記念碑だけでも寄ることをおすすめします。

ハマくま
鉄道の歴史があちこち転がっていて、駅も観光スポットだよ!

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