赤レンガ倉庫と大さん橋の間には、象の鼻パーク(ぞうのはなパーク)という公園があります。
なんで象の鼻かというと、堤防の形が象の鼻のように見えるからです。
横浜開港150周年として、平成21年(2009)に開園しました。
公園としては比較的新しいのですが、黒船のペリー提督が上陸した場所であり、開港して最初の波止場が建設されたという歴史ある場所なんです。
心地よい海風を感じる公園をまったり散策したり、公園のカフェでランチをしてきました。
象の鼻パークの場所(アクセス)
象の鼻パークのまわりは、観光名所がたくさんあります。
赤レンガ倉庫、大さん橋、山下公園、横浜税関(クイーンの塔)、神奈川県庁(キングの塔)、横浜開港資料館、日本大通りなど。
・みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口(県庁口)より徒歩約3分
・JR・横浜市営地下鉄「関内駅」より徒歩約15分
バス(横浜市営バス)
・26系統「税関前」下車 徒歩2分
・あかいくつ「大桟橋(入口)」下車 徒歩2分
象の鼻パークの歴史
横浜港発祥の地
1854年3月31日にアメリカのペリー提督が2度目の来日で、上陸した場所。
安政6年(1859)日米修好通商条約により、開港場に指定される。
横浜で最初の波止場です。
象の鼻パークには歴史解説板があちこちにあり、歴史を物語っています。
横浜港最初の波止場について
横浜が開港して、2つの突堤が作られました。
*東波止場(イギリス波止場)・・外国輸出入貨物の積卸し
イギリス領事館(現・横浜開港資料館)があったことでイギリス波止場とも呼ぶ。
*西波止場(税関波止場)・・国内貨物の積卸し
税関に近いことで税関波止場とも呼ぶ。
元治元年(1864)貿易が増えたことで、現在の山下公園の中央あたりに「東波止場」が造られる(近くにフランス人住居区があったので、フランス波止場とも呼ぶ)。
そのため、象の鼻地区の2つの突起は総称して「西波止場」と呼ばれるようになる。
慶応3年(1867)イギリス波止場側は湾曲した形に変更される。
関東大震災でほとんど沈んでしまうも、復元してよみがえりました。
海の日の由来
明治9年(1876)明治天皇が東北巡幸の帰りに、船で青森を出発し、7月20日に横浜に帰着。
現在の象の鼻地区に上陸。
・海の記念日は、これにちなんで昭和16年(1941)制定される。
・平成8年(1996)国民の祝日「海の日」は海の記念日に準じ「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う」ことを目的に制定。
・平成15年(2003)祝日法改正により7月第3月曜が「海の日」となる。
象の鼻パークの見どころ案内
公園をぐるりと散歩したので、案内します。
赤レンガ倉庫の近くにある開港の丘
赤レンガ倉庫から象の鼻パークに行く場合、最初にたどり着くのが開港の丘です。
芝生にある岩の上に腰かけて休んでいると、のほほ~んとした気分になります。
左に赤レンガ倉庫、右に大さん橋を眺めて、景色と自然に癒される~。
近くに象の鼻テラスがあるので、ちょっとした食事やカフェをすることもできます。
煉瓦造2階建倉庫の遺構
税関施設のひとつであった「レンガ造2階建倉庫」の基礎部分。
倉庫は、明治中期から関東大震災までの間、国内外からの貨物の保管や検査のために使われていました。
横浜正金銀行の建物(現・神奈川県立博物館)をはじめ横浜の街に多くの建築を残した、建築家の遠藤於莵(えんどう おと)が監督した建物で、建設中の写真が残されている。
象の鼻地区一帯は、もともと横浜税関の敷地であったそうです。
横浜開港150周年記念碑(たねまる)
横浜が開港150周年を迎えた平成21年(2009)のときに「開港博Y150」が開催されました。
そのときのマスコットキャラクター「たねまる」です。
こんなとこにいたのね。
横浜開港資料館に植えられているタマクスの木の精。
上半身は芽を出した種子、下半身は船がモチーフ。
横浜の種が世界に向けて出港するイメージだそうです。
種子の芽がちょうど横浜のYになっているとこもポイント。
すごくかわいいから、ほんとは横浜のゆるキャラとして、頑張ってほしい存在です~。
横浜市歌
横浜市民なら歌えるという、あるある話があります。
「秘密のケンミンSHOW」でもやってたよ。
横浜市歌は明治42年(1909)に開港50年周年を記念して制定されました。
作詞は明治・大正期の文豪で有名な森鴎外(もりおうがい)です。
ちなみに本名は森林太郎(もりりんたろう)。
横浜市立の小学校では、校歌とともに習います。
はるか昔だけど、なつかし~♪
なんでこんな所にと思いましたが、横浜が開港した場所だから、、設置されてるのかもね。
日本大通りから公園に行くと、開港波止場に着きます
日本大通りから象の鼻パークに来ると、中心の開港波止場に着きます。
開放的な広場があるので、イベントがあるときはここで開催されたりします。
鉄軌道(線路)と転車台(ターンテーブル)
ガラス張りのところから見ることができます。
象の鼻パークの整備中に発見されました。
明治20年代後半に整備されたものです。
大きさから、回転できる車両の規模が限られることで、敷地内の荷役作業のために設けられたのではと考えられています。
写真の先は「ピア象の鼻」という、水上バス乗り場です。
上の鉄道高架橋は遊歩道(山下臨港プロムナード)になっており、赤レンガ倉庫~大さん橋~山下公園が手軽に行けます。
象の鼻防波堤は、大さん橋から近いです
象の鼻の防波堤まで来ました。
大さん橋も近いので、ここから大型豪華客船がよく見えます。
ガス灯を模した照明灯もあります。
あと少しで、鼻の先っぽに着くところです。
眺め最高~。
横浜三塔が眺められるポイントや関東大震災により沈下した開港初期の石積み防波堤の一部がありますよ。
象の鼻テラスでランチ
公園めぐりの途中でお昼になったので、ランチをします。
開港の丘にある象の鼻テラス。
店頭前にいる水色の像は「ペリコ」。
この小さいゾウは園内のあちこちにいて、模様がそれぞれ違います。
文化観光交流拠点として、アートスペースのある無料休憩所です。
開港して西洋文化(異文化)と日本文化が出会ったように、人や文化が出会い、新たな文化を生み出す場所を目指しています。
カフェや軽食ができる他に、アート、音楽など文化プログラムを開催していることも。
テラスの中に、巨大なマンモスのオブジェが!
「時をかける象(ペリー)」
横浜の150年の歩みを見つめ続け、これからの横浜と人類を力強く導く、対話と活力のシンボルです。
店内は広々としていて、テーブルとイスが並んでいるから休憩にもってこい。
ランチ時間は、持参のお弁当を食べてる人もいます。
若者が仲間と語らっていたり、一人読書タイムと皆それぞれの過ごし方をして、ゆったりしています。
※休日のイベント開催日は、人でごちゃごちゃのときもあります。
ゆくりしようと思ったのに、来てみたら!!ってなことにならないようにね。
テラスのメニュー
おもな軽食メニュー(お値段600円~800円の間)
・鎌倉ハムの3種のサンドイッチ
・トマトキーマカレー(トマトのうまみたっぷりカレー)
・象の鼻ピザ(フライドピザ)
・ナンピザ シリーズ
・平日数量限定の横浜ナポリタン
ドリンクも充実!
ピクニックティー480円は、横浜の名前がついた紅茶のようです。
ランチはサンドイッチにしました
鎌倉ハム3種のサンドイッチ780円とセットドリンク+200円(税込)を注文。
ライ麦パンに野菜と長期熟成ベーコン、パストラミポーク、ボロニアソーセージの鎌倉ハムがたっぷり。
贅沢サンドで幸せ。
ナンピザやフライドピザも美味しそうだったので、悩みましたよ。
象さんのロゴマーク、なんかいいね。
海をイメージさせる青象が、鼻先で花を持っています。
なにかを見つけたり、出会った瞬間のうれしい発見に似た気持ちを表現しているんだそう。
名物はゾウノハナソフトクリーム
甘いデザートも食べちゃいます。
象の鼻テラスの名物 ゾウノハナソフトクリーム400円(税込)。
まんまるの目はチョコレートで、ワッフルコーンの耳がついています。
長い鼻はクルリとしたソフトクリーム。
愛くるしさだけでなく、なかなか濃厚なミルクソフトでした。
他に冬季限定ですが、チョコがミックスされたペリーくんソフトクリーム450円もあります。
その他の象さんスイーツ
象クッキー、象スコーン、象ロールケーキもあるよ。
象の鼻テラスと横浜税関は近くです
象の鼻テラスの屋上は、ちょっとした展望台になっています。
手前のスクリーンパネルは夜になるとライトアップされ、きれいな夜景に。
横浜税関もすぐ近くだから、横浜税関資料展示室の見学をするのもいいね。
まとめ
横浜港の景色を楽しみ、開港時代に思いをめぐらしながら、公園を散策していると歴史発見が次々と見つかりました。
観光地の中心でもある象の鼻パークは、未来と過去が入り混じっているような場所です。
地元民も観光客ものんびりできる公園なので、ぜひ一度訪れてみてください。
施設の情報
- 名称 :象の鼻テラス
- 住所 :横浜市中区海岸通り1丁目
- 開館時間:10:00~18:00
- 休館日 :年中無休 ※開館日時は都合により変更する場合あり
- 象の鼻テラス公式サイト