日本大通りにあるニュースパーク(日本新聞博物館)に行ってきました。
新聞をあまり読まない時代になってきていますが、それでも私達にとってなじみ深い存在です。
日本で最初の新聞は、明治3年(1871)に横浜で創刊された日刊新聞(横浜毎日新聞)になります。
ニュースパークは体験という楽しみを通して、より身近に新聞を感じることができる博物館です。
ニュースパーク(日本新聞博物館)の場所とアクセス
日本大通りにある横浜情報文化センター2階にあります。
日本大通りは、横浜スタジアムと海側の象の鼻パークを結ぶイチョウの並木が美しい通りです。
交通の便はすごく良いので、行き方は簡単!
1、みなとみらい線「日本大通り駅」3番情報文化センター口直結。
駅の真上にあるのですごく便利!
2、JR・横浜市営地下鉄「関内駅」から徒歩10分。
横浜スタジアムの公園を抜け、日本大通りをまっすぐ進んで行くと右手にあります。
バスの場合
1、横浜市営バス「日本大通り駅県庁前」徒歩1分。
2、観光スポット周遊バス「日本大通り」下車で正面。
バスも近くて便利だよ!
開館時間・料金・休館日
【開館時間】10:00~17:00(最終入館は16:30)
【入館料】
大人400円、大学生300円、高校生200円、中学生以下は無料
障害手帳お持ちの方と付き添い1名も無料
【休館日】
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ニュースパーク(日本新聞博物館)の見どころ
横浜情報文化センターの裏手に「新聞少年の像」があります。
日本新聞販売協会が平成16年(2004)の創立50周年に建てたものです。
各家庭の戸口に新聞配達をした少年を含む先人に支えられた歴史をふりかえり、活字文化のさらなる発展に向け心新たに歩む象徴として置かれています。
新聞少年の像は全国各地にあるみたいですよ。
博物館のシンボルモニュメント
1階、情報文化センター内に入ると、まず巨大な輪転機に目を奪われます。
上の写真は、ニュースパークの3階から撮影。
高速で多量の用紙を印刷する機械(印刷機)
平成9年(1997)まで静岡新聞社で実際に使われていたもので、4ページの新聞を1時間に15万部印刷できるそうです。
高さ7.3メートル(2階の高さまであるよ)、重量78.7トン。
プロジェクションマッピングで、新聞を印刷してる様子が見れます。
耳を澄ますと、印刷している音も聞こえてきます。
輪転機の隣にエスカレーターがあるので、2階の受付に行きましょう!
全国の新聞が勢ぞろい!
2階で受付を済ますと、たくさんの新聞がありました。
新聞だらけですごーい!圧倒されます。
これは新聞協会加盟の新聞104紙を展示したものです。
全国各地の新聞が一同に集まっている様子は、なかなかの見応えです。
2階には、そのときどきの企画展、イベントルームなどがあります。
興味ある企画展のときに訪れるといいかも(入館料は企画展込みでした)。
1、新聞の歴史
エスカレーターで3階に上がります。
いよいよメインの常設展に潜入です。
最初は新聞の歴史から学びます。
江戸時代はかわら版でしたが、明治になり日本初の日刊新聞が誕生。
*明治・大正期の新聞の発展
*戦争時代の言論統制を受ける新聞
*戦後の新聞再出発と現代
写真は、大正11年(1922)~昭和11年(1936)まで製造した国産マリノニ型輪転機です。
日本で初めての輪転機は、明治23年(1890)朝日新聞社が導入したフランス・マニノリ社製。
国産が普及してからは、今まで新聞1時間4ページ1,500部だったのが、24,000部印刷できるようになったそうです。
※2020現在、展示の配置変えをしているようなので、見学したときの様子とは少し違うかも。
新聞倫理綱領
新聞倫理綱領とは、権力を批判する新聞が自らを律するためにつくられたもの。
そばに、東日本大震災のときの「岩手日報」がつくった避難者約5万人の氏名を掲載した新聞がありました。
記者は各避難所に張り出された名前を集め、混乱する被災地で、家族、友人、知人などの安否情報を読者に届けたそうです。
2、情報社会と新聞
現代は情報があふれていて、私達は「情報の海」の中で暮らしています。
紀元前~現代までの「情報タイムトンネル」。
大昔はちょこっとしかなかった情報伝達でしたが、だんだん時代とともに増えていき、今ではすごいことになっています。
紀元前8世紀頃、木や竹の板に文字を書く。
紀元前2世紀頃、中国で紙が発明される。日本に伝わったのは610年。和紙へと発展してゆく。
1650年ドイツで日刊新聞が誕生。
1830年フランスで写真技術が発明。
1837年米国でモールスが電気通信を発明。
1876年米国で電話機が発明。
1890年日本で電話が開通(東京ー横浜間)。
1893年映画が誕生。
1895年無線通信が実現。
1920年米国でラジオ放送開始(日本は1925年開始)。
1936年英国でテレビ放送開始(日本は1953年開始)。
1987年日本に携帯電話登場。
1993年日本でインターネットの利用がはじまる。
インターネットの登場で、個人も簡単に情報を伝えられるようになりました。
広い情報の海の中では、正しいものだけでなく間違ったものも存在します。
当然110番につながったという笑えないニュース。
ここでは、情報に踊らされる事例が漫画やアニメ、新聞記事などで、いろいろと紹介されています。
「日本メディアばなし」では、アニメーションでメディアについて分かりやすく教えてくれます。
桃太郎と青鬼の画面だけにすると、桃太郎が鬼を追いまわしてるように見えます。
情報の切り取り方により、一部だけ見て判断してしまう危険があるなと思いました。
目の前の情報だけがすべてではない、確かな情報を見抜く力が大切だと訴えています。
新聞記者になって、謎を解くコーナーがあります。
子供用みたいですが、やってみる?
大画面で新聞を読んでる人がいます。
読んでいるその記事には、日夜奮闘する新聞記者がいます。
送り手がいて受け手がいるというメッセージ。
新聞記者のスクープ記事の裏にある、小さな疑問からはじまる取材、仕事について知ることができます。
「新聞記者に聞いてみよう」ではタッチパネルで新聞記者に質問ができます。
忘れられない取材、記事を書くときの心がけなどまじめな質問もありますが、休日の過ごし方なんてのもありました。
新聞記者といっても地域や世界、政治、経済と分野はさまざまです。
3、新聞を知ろう(体験が楽しい)
こちらでは、遊びながら新聞の面白さに気づけます。
また、壁に沿って読むことで、
新聞が作られて、届くまで(取材~編集~印刷~配達)の流れが分かります。
広告のコーナーの小部屋もありました。
広告も新聞には欠かせない情報のひとつですね。
また中央に横浜港周辺の街並みのジオラマがあります。
なんと!タイムスリップして過去の横浜の取材ができる仕掛けがあるよ。
体験ゲームで遊ぼう!
輪転機に挑戦!するゲームがありました。
10秒ハンドルを回します。
よーい、スタート!
結果は。。。輪転機は約150m、私は約20mでした。
勝つなんて無理でしょ!それとも?
次は新聞配達員になって自転車で制限時間内に各家に新聞を配るゲーム。
全部配るからね!
自転車をせっせとこいで、ああ・・忙しい(汗)
結果は。。。普通の配達員でした。
1部だけ配達できなかったよ(残念)
これすごく楽しみにしてたよ♪
拡張現実(AR)を使った横浜タイムトラベルの取材体験ゲーム(所要時間約20分)。
3つテーマがあり、どれかひとつを選びます。
①横浜発展
②日本大通り
③山下公園
開催時間を確認して、時間までは他を見学してよう。
①の横浜発展を選び、「横浜港開港の秘密」を取材することにしたよ。
タブレットの端末を手渡されました。
タイムスリップして、過去の人々に取材をしていきます。
黒船で日本に来た、ペリー氏ともお話ができました。
これは、おもしろい!
取材後にジオラマの街並みをよく観察すると、なんと取材した人達がいましたよ~。
新聞ギャラリー
新聞の過去の歴史的瞬間が載ってるコーナーです。
ドイツ東西が統一したときの記事、人類が月に到着したときの記事などありました。
新聞で遊べる小部屋
子供が新聞で遊べる小部屋なんてのもあります。
館内には新聞で出来た椅子が置いてありました。
ニュースパークのマスコットキャラは「ブンぱくん」。
新聞大好きで、新聞記者のようにカメラと腕章をしてます。
顔は新聞がモチーフで、髪の毛は新聞の中面だそう。
遊びコーナーにいるブンぱくんは、顔のページをめくることもできちゃったよ。
その他の施設
・多目的ルーム(休憩スペース)
・新聞閲覧室(日本新聞協会の会員各社が発行する全国の1週間分の新聞があり、自由に読めます)
お土産売り場
帰りは、2階の受付の横にあるお土産コーナーを物色。
ブンぱくんグッズが、かわいかった。
新聞についての書籍なども置いてあります。
一番のお土産は?
横浜タイムトラベルの取材体験ゲームをやったら、新聞になりました。
「横浜港開港の秘密」を取材して、新聞にしてきましたよ。
いっぱい取材したので、ボリュームある記事になったはず!
質問の内容や重要人物の選択で、中身が50通りくらい変わるそうです。
今回はやりませんでしたが、他にも自分の顔写真入りのマイ新聞が作れます。
2階イベントルームにて、オリジナル新聞もつくれます。
90文字の記事を書いて、自分の写真を載せることができます。
所要時間約20分(事前予約不要)。
日本の新聞発祥記念碑
横浜にある新聞の発祥記念碑を巡りました。
横浜中華街と横浜市新市庁舎で見つけることができます。
日本国新聞発祥の地碑
【碑の場所】
横浜中華街、関帝廟通りにあります。
地久門の近く。
「日本国新聞発祥の地碑」
アメリカ国籍を得た日本人のジョセフ彦が、元治元年(1864)英字新聞を日本語訳した「海外新聞」を発刊。
日本で最初の日本語の新聞となる。
ここは「海外新聞」を発刊した居館の跡です。
その後、日本として初の新聞のはじまりは日刊新聞になります。
「日刊新聞発祥の地」記念碑
【碑の場所】
横浜市新市庁舎の敷地内にあります。
明治3年(1871)にはじめて、日刊新聞「横浜毎日新聞」が創刊。
日本の新聞が、ここからはじまりました!
明治3年12月8日、我が国日刊新聞の鼻祖「横浜毎日新聞」はこの地で誕生した。
この新聞はまた、冊子型木版刷りの旧型から、活字一枚刷りの現代型へと踏み切った我が国最初の新聞であった。
これが端緒となって、日本大新聞国へと発展したことを思うと、文明開化の窓口として横浜の意義はきわめて大きい。碑に記された文の一部を抜粋
銅板レリーフの部分は、創刊号の紙面です。
横浜から新聞がはじまったという歴史を知ることができました。
まとめ
新聞博物館と聞くと堅苦しいイメージがありましたが、遊び心が盛りだくさんでした。
学生さんもいて、楽しく学んでいるようでしたよ。
新聞の歴史展示を見たり、情報社会の見極めを学び、記者のメッセージを感じ、ゲームを楽しんでいたら、あっという間の半日でした。
博物館の建物もそうですが、日本大通り周辺は歴史的建造物が多く集まる場所です。
象の鼻パークや大さん橋も近くにあります。
観光や遊びなどで近くにきたら、ぜひ予定に組み込んでみてください。
施設の情報
- 名称 :ニュースパーク(日本新聞博物館)
- 住所 :横浜市中区日本大通り11 横浜情報文化センター
- 開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
- 休館日 :月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は次の平日)
12月29日~1月4日 - 新聞博物館の公式サイト