横浜駅のすぐ近くにある「原鉄道模型博物館」に行ってきました。
平成24年(2012)鉄道発祥の地である横浜に開館。
原信太郎が自作・収集した鉄道模型約1,500輌を収蔵し、約1,000輌の模型が展示してあります。
幼少の頃から鉄道が大好きで、生涯の生きがいとした原信太郎の人生を模型と共に紹介しており、そのすごさを身近に感じることができます。
一番の見どころは、1番ゲージが屋内展示として世界最大級のジオラマであること。
整理券を取って、ジオラマで運転体験もしてきました。
横浜駅のすぐ近く!アクセスを紹介
横浜駅東口側(みなとみらい地区)にあります。
横浜駅中央通路から、東口にあるポルタ地下街に降ります。
まっすぐ進むと、横浜そごうがあります。
そごうの入口に着いたら、右に曲がり進むと、左手にスカイビルがあります。
その先に地上に出る階段(新高島、みなとみらい方面)があるので、外にでます。
地上に出て、そのまままっすぐ信号を渡り進んでいきます。
帷子川の橋を渡れば到着。
橋から横浜三井ビルディングが見えます(上の写真)。
このビルの2階に「原鉄道模型博物館」があります。
みなとみらい線「新高島駅」から徒歩約2分(日産グローバル本社の隣に横浜三井ビルがあります)。
詳しいアクセスは、原鉄道模型博物館の公式サイト(アクセス)を確認してください。
営業時間・料金(割引は?)・休館日
【営業時間】
10:00~17:00(最終入館 16:30)
【入館料】
大人 1,000円
中学・高校生 700円
小人(4歳以上)500円
【休館日】火曜日(祝日の場合は翌日)
割引情報
1階に原鉄道模型博物館などのパンフレットが置いてありました(エスカレータの近く)。
横浜駅東口エリアマップのパンフがあります。
その中に提示して使えるクーポンがいろいろあり、原鉄道模型博物館は10%割引でした。
これは使わないともったいない!
受付でパンフレットを見せるだけでOKです。
大人1,000円が900円、中高生700円が630円、小人500円が450円になります。
割引クーポン付のパンフレットは、横浜駅の観光案内所、道中のポルタ地下街にも置いてありました。
受付と動鉄整理券
三井ビルディングに入ると1階に「原鉄道模型博物館」に行く直通エスカレーターがあります。
エスカレーターで2階に上がったとこに受付があります(券売機もあり)。
近くに鍵付きの傘立てがあるので、雨の日も傘がジャマにならずに見学できます。
無料コインロッカー(100円入れて返却タイプ)もありました。
動鉄実習したいなら整理券をゲット
入口に動鉄実習(うごてつじっしゅう)の時間が記載されている看板がありました。
鉄道模型を運転して動かすことができます。
体験したいなら、入場前に整理券をゲットしておきましょう。
※入場後でも空きがあれば整理券をもらえます。
再入場可能
再入場したいときはスタッフに声をかけて、スタンプを手に押してもらいます。
原鉄道模型博物館の見どころ案内
いざ、入場!
館内は写真撮影が可能でした。
第一展示室「原模型の真髄」
中に入り最初は、真っ白の洗練された部屋です。
原信太郎作製のお宝ともいえる究極の鉄道模型が展示されていました。
・箱根登山鉄道 チキ形 チキ1(子供の頃祖母と乗りに行き、自分と同じ1919年生まれで大好きになる)
・金剛山電気鉄道 22号(朝鮮半島に存在した伝説の登山電車)
・スイス国鉄Ae 4/7形
・阪神電気鉄道311形313 (関西で流行した5枚窓が特徴のブルーの車体) など
手前は鉄道大好き少年であった原信太郎が、小学校6年生のときはじめて作った鉄道模型です。
・1号機関車(自由型電気機関車 8000号)
ボディは家の屋根を修繕した余り板で作ったそうです。
この機関車は博物館のロゴマークになっています。
上の写真左側の古びた電車は、4歳のときの趣味の原点となったゼンマイ式おもちゃ。
関東大震災のときに縁側で遊んでいたら、激しい揺れが!大事に抱えて逃げたそうです。
・オリエント急行(豪華国際列車)
原信太郎は廃止直前に乗車したそうです。
途中駅(ハンガリーの国境駅)で写真撮影をしていたら、警察に捕まり2時間以上列車を止めたという逸話も。
東西冷戦時代を物語る出来事だそうです。
食堂車を再現しており、テーブルで食事をする人、台所の様子など、内部も繊細に作られていてすごいです。
その他見どころ
・或る列車 (明治末期の幻の豪華列車)
明治39年(1906)当時の「九州鉄道」がアメリカのブリエル社に豪華列車を発注するも、九州鉄道が国有化となり、1度も営業運転しなかったという幻の列車。
原信太郎は品川に置かれていたときに内部まで見ており、模型化しました。
この模型を元に現在JR九州で「或る列車」を走らせています。
JR九州「或る列車」公式サイト
第二展示室「語る模型」と原信太郎の歴史
趣味で集めた鉄道模型がたくさん展示されています。
※真ん中の展示は期間限定で、その時々の展示となります。
奥には、収集した各国の鉄道資料書籍もずらり(希望すれば閲覧可能)。
12歳~20歳くらいに描いたという車両図面も観れますよ!
路面電車、貨物列車、旅客列車と電車もいろいろ。
詳しくは分からないけど、すごいということは実感できます。
原信太郎と鉄道の歴史年表。
鉄道と共に成長していく過程が分かります。
大正12年(1923)4歳 関東大震災。
大正14年(1925)6歳 ウッパタールの懸垂電車の模型を入手。
昭和2年(1927)8歳 日本初の地下鉄に1番乗り(東京地下鉄 浅草~上野間)。
昭和5年(1930)11歳 戦前期の誕生したばかりの超特急「燕」で関西に一人旅。
旅費は約75円(銀行員の月給70円の時代)祖父から許しをもらって実現。
昭和6年(1931)12歳 はじめて鉄道模型をつくる。
昭和8年(1933)14歳 帝都電鉄井の頭線、渋谷~井の頭公園間開通の1番切符を入手。
その後1番切符を次々と入手していく。
昭和14年(1939)20歳 朝鮮半島旅行し金剛山電気鉄道に乗車。
昭和15年(1940)21歳 東京工業大学に入学。
その後、戦争~高度経済成長の日本へと時代は移ります。
昭和25年(1951)32歳 コクヨ(株)に入社。
欧州出張をする中で、世界の鉄道の技術革新を見る旅も重ねる。
各国の鉄道ファン、模型技術者との交流で「世界的な鉄道愛好家」として有名になる。
以上、簡単に幼少期をまとめてみました。
第三展示「ヴィンテージ・コレクション」と「フォト・ライブラリー」
面白かったのは1番切符のエピソード。
初めての1番切符
原信太郎14歳の時、帝都電鉄(現・京王電鉄井の頭線)が開業。
前日から改札口に並んだのに、渡された切符はなんと2番!
1番は駅員が上司にあげるため除いていたそうで、猛抗議のすえ手に入れたそうです。
※1番切符とは・・新しく開業した路線で売り出す、切符の通し番号0001。
多くのライバルの中で1番を手にいれるため、綿密な作戦を練っていたそう。
昭和39年(1964)東海道新幹線開通では、東京発、新大阪発の両起点の1番切符を手に入れました。
新大阪発東京行き「ひかり2号」を入手するため、9日前から工事中の新大阪駅構内に居座ったみたいです。
原信太郎は世界各地をまわり鉄道旅もしていました。
株式会社コクヨの仕事で、欧州出張に出かけたのもきっかけです。
海外旅行では模型店めぐりをして、引っ越しさながら、大きな木箱をいくつも持ち帰っていました。
カメラ、16ミリフィルムも趣味で、残された写真や映像は現在の貴重な資料となっています。
※フォト・ライブラリーでは、日本・世界の各地で撮影した車両のアルバムをPCで閲覧できます。
ウッパータールの懸垂電車模型
メルクリン社(ドイツ老舗の鉄道模型会社)が製造したもの。
ドイツ、ウッパータール市の懸垂電車(けんすいでんしゃ)。
電気で動く模型が出始めた頃のもの。
オークションで、国際電話をかけっぱなしにして落札!
本国の博物館が欲しがるくらい、よい状態で保存されていたそうです。
ケルン・ボン鉄道(世界に15台しかない貴重な模型)
20世紀初め、ドイツのケルン・ボン鉄道がメルクリン社に発注した15台のうちの1台。
重役の記念品だったものを、信太郎はスイスで購入したそうです。
パサージュを通っていちばんテツモパークへ
パサージュと呼ぶ通路にも、鉄道模型や一番切符のコレクションがずらり。
となりに多目的ルームがあり、その時々の企画展やイベントなどが楽しめます。
いちばんテツモパーク
ここが室内では、世界で一番大きいと言われるジオラマです。
※1番ゲージのジオラマとして世界一!
オープン時に来て以来だから、かなり久し振り。
高架下ではカヌーで遊んでいる人がいますが、夜になるとキラキラひかる蛍がいるそうです。
ジオラマが広いから、別の場所で写真撮っている間に見るの忘れたよ~。
自由に貸出されているオペラグラスを持って探してみよう!!
※フォトスポットもあるので、カメラやスマートフォンで撮影が楽しめます。
ジオラマの路線図です(ルートは全部で5つ)。
1番ゲージの鉄道が走ります。
よく見るとロープウェイも動いてますよ。
いちばんテツモパークで走る鉄道模型の時刻表。
今、走っている鉄道模型をチェック!確認してから、電車を探してみよう!
時刻表の近くには、車輌工房があり、いちばんテツモパークからの引き込み線で繋がっています。
窓から中を覗くことができました。
パリのリヨン駅をイメージしてます。
夜になりました。
日中~夕方~夜と時が移ります。
駅の中にも人がたくさんいて、リアルな世界が広がっています。
細部までこだわりを感じる、繊細なジオラマですね。
奥の山のほうで走る電車は、原信太郎が作製した電車です。
トロリーポールという2本の棒から電気をとって走っているみたいですね。
また、原鉄道模型は本物の鉄道と同じように、鉄のレール、鉄の車輪と鉄製にこだわっています。
※一般の模型は加工しやすいように真鍮(しんちゅう)などの素材を使用。
オリエント急行の車輌をイメージしたという窓が!
中は原信太郎の自宅にあったという模型工房を再現しています。
動鉄実習の時間がきました
そろそろ整理券の出番です。
1番ゲージを本物の運転台で動かせます。
整理券の紹介
整理券は首から掛けれます。
旧型と新型が選べました。
新型は簡単で、子供向けみたいです。
「はじめてだから、簡単な新型にしよっと!」
でもね「大人は旧型の方が楽しいですよ~♪」と旧型をすすめられました。。。
動鉄実習の場所はいちばんテツモパークの端っこです
ここで、動鉄実習ができます。
目の前のジオラマはちょうど駅のホームで、列車が待機しています。
旧型にチャレンジ!(実際に行うとこは、夢中だったので写真撮れなかった・・)
椅子に座ると、前のモニター画面には鉄道模型からみた景色が写し出されます。
右レバー→ブレーキ調節(減速、停止させたりします)
左レバー→速度を出す
ブレーキを解除すると列車が動きだします。速度を90キロまでだします。
ぐるりと一周して駅に戻ってきたら、ブレーキを微調節して停止位置に止めます。
3周やらせてもらえました。
最後の1周目は途中駅でも止まってみました。
スタッフが教えてくれるので、問題なく楽しめます。
結果、旧型もそんなに難しくなかったよ。
いちばんテツモパークには観覧席があります。
動鉄実習場所のすぐ隣。
ぼけーーっと座っていると、ガタン、ゴトン♪と列車の走る音が心地良い。
鉄道模型や博物館について説明をするスタッフのアナウンスを聞いてたら、夢心地になってきた。
いつまでも居座る危険がある、居心地の良い場所でした。
横浜ジオラマ
別の部屋には、横浜ジオラマ。
こちらも朝~夕方~夜と時間が流れます(5分間)。
横浜ならでは、大晦日に行われる船の汽笛の演出もあります。
桜木町駅の近くに横浜三塔が立ち並ぶ、実際にはありえない光景(もっと離れています)。
夜遅くなると電気が消えて、電車が止まります。
朝になるとまた出発。
横浜ジオラマの一部は、明治期の横浜になっています。
今と昔の両方を楽しめます。
写真の左下は初代横浜駅と広場。
奥にはエースのドームといわれる横浜正金銀行(現在・神奈川県立歴史博物館)があります。
模型のゲージ
ゲージ(軌間)とは、左右のレールの間隔を意味。
ゲージもいろいろあるんですね。
*いちばんテツモパークのジオラマ→1番ゲージ
*横浜ジオラマ→HOゲージ
これで見学終了。
出口の手前には、子供が遊べるちょっとしたキッズスペースがあります。
横浜と鉄道について
横浜は鉄道発祥の地です。
明治5年(1872)新橋ー横浜(現・桜木町駅)間に日本初の鉄道が開業しました。
開港してたくさんの外国船が出入りする横浜港から西洋の文化、物資、技術などを鉄道を通して他の地域に伝える大きな役割を果たしました。
ちょうど鉄道が発達していく時代に、原信太郎が生まれたのも運命的ですね。
原鉄道模型博物館のビル内でランチもできます
横浜三井ビルディングの1Fには飲食店、コンビニ(ファミリーマート)があります。
- 海鮮茶屋 せんざん本店(海鮮料理中心、カニ料理あります)
- 肉料理と赤ワイン マリブ(肉料理中心)
- カフェ&バー プロント(パスタ、カフェなど)
プロントでは、ケーキセットが入場券提示で100円引きと書いてありました。
食事は原鉄道模型博物館のビル内でもいいし、横浜駅に行けば飲食店がたくさんあります。
鉄道に関するお土産はあるかな?
せっかく鉄道模型の博物館に来たので、お土産店も気になります。
1階に鉄道模型&ミュージアムグッズ 「天賞堂みなとみらい店」があります。
ちょっとした鉄道グッズが売っています。
鉄道サブレ、電車のマグネット、横浜の駅名キーホルダーなど。
原鉄道模型博物館オリジナルはがき、ボールペンもありました。
自宅でも模型を楽しみたいなら、ここで鉄道模型も購入できます。
でもね、小さいサイズでもけっこうなお値段でした。
自宅にあったよ!横浜の鉄道模型集合
家に鉄道模型がありました(私のじゃないけど)。
ちょっと借りて、横浜に関する鉄道だけを並べてみたよ。
右から、みなとみらい線、市営地下鉄、京急線、JR東海道線、JR横浜線、JR京浜東北線。
横浜駅を走っている、おもな電車が勢ぞろいしました。
こちらはNゲージになります。
気に入った模型があれば、1つ手に入れて飾っておくのも素敵かもです。
まとめ
ジオラマをいつまでも、見入ってしまう博物館でした。
日本だけでなく、世界の鉄道模型を見ることができ、模型三昧のひとときを過ごせましたよ。
原信太郎のコレクション収集のど根性を知り、鉄道を愛する人生に感銘も受けます。
ひとつを極めたことで、多くの人々を惹きつける博物館となり素敵ですね。
またいつか訪問したいと思います。
鉄道好きの方、ちょっと興味がある方、ジオラマとやらを一度見たい方ぜひお越しください。
施設の情報
- 名称 :原鉄道模型博物館
- 住所 :横浜市西区高島1-1-2 横浜三井ビルディング2F
- 開館時間:10:00~17:00(最終入場16:30)
- 休館日 :火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、保守点検期間(2上旬予定)
- 原鉄道模型博物館公式ホームページ